○富士市ユニバーサル就労の推進に関する条例(平成29年2月22日条例第1号)
私たちのまち富士市は、豊富な地下水と豊かな自然に恵まれ、紙・パルプ産業などの製造業を中心に、農林業や水産業など、様々な産業が成長し、発展してきた。
人々が多様な産業に携わり豊かな市民生活を築いてきた反面、障害のある人をはじめ、就労意欲がありながら様々な理由により働きたくても働くことができない状態にある人たちは、自らの能力を発揮するため働く場を求めてきたが、こうした人たちに就労の機会が十分に提供されているとは言えない。
市民の誰もが社会を構成する一員として活躍し、自立した生活を送ることができる社会を実現するためには、就労意欲のある全ての人に就労の機会が提供されるよう、環境を整備していかなければならない。
このような認識の下、行政はもとより事業者、事業者団体及び市民一人ひとりが相互に協力し、ユニバーサル就労を推進することにより、市民がそれぞれ生きがいを持ち、働くことができる住みやすい地域社会を創造するため、それぞれの責務を果たすことを決意し、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、ユニバーサル就労の推進に関する基本理念を定め、市、市民、事業者及び事業者団体の果たすべき責務を明らかにするとともに、市の施策の基本となる事項を定めることにより、全ての市民が生きがいを感じながら安心して暮らすことのできる地域社会の実現に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) ユニバーサル就労 様々な理由により働きたくても働くことができない状態にある全ての人が自ら選択した仕事に従事することをいう。
(2) 市民 市内に在住し、在勤し、又は在学する者をいう。
(3) 事業者 市内で事業活動を行う個人及び法人その他の団体をいう。
(4) 事業者団体 事業者の共通の利益の増進のため、事業者により組織された団体をいう。
(基本理念)
第3条 ユニバーサル就労は、様々な理由により働きたくても働くことができない状態にある全ての人がその個性や意欲に応じて能力を発揮し、社会を構成する一員として社会経済活動に参加することを基本とし、市、市民、事業者及び事業者団体の協働により推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、基本理念にのっとり、総合的かつ計画的にユニバーサル就労の推進に関する施策を講ずる責務を有する。
(市民の責務)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、ユニバーサル就労に関する理解を深めるとともに、市が実施する施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、ユニバーサル就労の推進のために雇用の創出及び拡大を図るとともに、一人ひとりの個性に配慮しながら働きやすい職場環境を整備し、及び市が実施する施策に協力するよう努めるものとする。
(事業者団体の責務)
第7条 事業者団体は、基本理念にのっとり、その構成員である事業者に対し、ユニバーサル就労の推進のために必要な情報の提供及び助言に努めるとともに、市が実施する施策に協力するよう努めるものとする。
(財政上の措置)
第8条 市は、ユニバーサル就労の推進に関する施策の実施に必要となる財政上の措置を講ずるものとする。
(推進体制の整備)
第9条 市は、市民、事業者及び事業者団体と協力し、ユニバーサル就労を推進するために必要な体制を整備するものとする。
(関係行政機関との連携)
第10条 市は、ユニバーサル就労の推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、関係行政機関との連携を図るものとする。
(顕彰)
第11条 市は、ユニバーサル就労の推進に著しく貢献したものを顕彰するものとする。
(委任)
第12条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。
附 則
この条例は、平成29年4月1日から施行する。