富士市議会議長 影山正直(まさなお)
富士市議会議員/ユニバーサル就労推進議員連盟会長 小池智明(としあき)
富士市は富士山の南側に位置する人口約25万人の産業都市
富士市は、日本列島太平洋岸のほぼ中央、静岡県東部に位置し、「世界遺産・富士山」の広大な南麓に広がっています。東京へは146キロメートル、大阪へは410キロメートルのところにあり、東海道新幹線、東名及び新東名高速道路、国道1号などが市内を横断しており、交通の要衝として我が国の産業・経済を支える動脈網を形成しています。
気候は温暖で豊富な地下水に恵まれ、古くから製紙産業が盛んで「紙のまち」として成長し、その後、紙パルプのほか化学、電気機械産業などの産業が発達し、「産業都市・富士市」として発展してきました。
東海道新幹線で、富士山がその裾野から大きく見える場所が富士市です。
富士市議会は、前期(~平成27年4月)まで定数36人でしたが、今期(平成27年5月~)からは4人削減した32人で活動しています。
「富士市ユニバーサル就労の推進に関する条例」とは
(1)「ユニバーサル就労」とは
「富士市ユニバーサル就労の推進に関する条例」(以下「ユニバーサル就労推進条例」という)は、「ユニバーサル就労の推進に関する基本理念、施策の基本事項を定めることにより、全ての市民が生きがいを感じながら安心して暮らすことができる地域社会の実現に寄与する」ことを目的に、平成29年2月15日に議員提案で上程、可決・成立し、同年4月1日から施行されました。
この「ユニバーサル就労」という言葉は、社会福祉法人生活クラブ風の村(千葉県。以下「風の村」という)が、精神的、身体的・知的、社会的な様々な理由により、「働きたいのに働きにくい全ての人」が働けることを目指し、取り組んでおられる考え方を示す言葉です。
なお、風の村では、いわゆる悪徳ビジネス等に使用されるのを排除するために、「ユニバーサル就労」を商標登録しています。
富士市議会では、風の村に条例の趣旨を快くご理解いただき、この「ユニバーサル就労」を改めて「様々な理由により働きたくても働くことができない状態にある全ての人が自ら選択した仕事に従事すること」と定義し、条例に使わせていただきました。
(2)ユニバーサル就労推進条例の構成と内容
ユニバーサル就労推進条例は、前文と計12条からなる、いわゆる「理念条例」です。
基本理念(3条)の中では「ユニバーサル就労は、……市、市民、事業者及び事業者団体の協働により推進されなければならない」とし、4条~7条でそれぞれの関係者の責務を規定しています。
8条~11条では、市が取り組むべき財政上の措置、推進体制の整備、関係行政機関との連携、顕彰実施を定めています。