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2024.03.25 議会改革

議会本来の姿を取り戻そう 福岡県で議員間討議の研修会

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西日本新聞論説委員 前田隆夫

 ちょっと風変わりな議員研修会が1月に福岡県大野城市で開かれた。福岡県内外の議員が集まり、具体的な案件を使って「議員間討議」を体験した。議員間討議(自由討議)は議会改革の手段の一つとして認知されているにもかかわらず、実践例は多くない。研修は議員間討議の意義を確認するだけでなく、議会そのものの役割を再認識する機会となった。

浄水場の存廃などテーマに

 企画したのは、議員と市民の有志でつくる「輝け議会!! 対話による地方議会活性化フォーラム」(代表・盛泰子佐賀県伊万里市議)。議会の政策形成、議員定数、広報広聴、通年議会などをテーマに、対面式のフォーラムやオンライン勉強会を重ねている。九州を中心とした緩やかな議員ネットワークとして活動を始めると、口コミで輪が広がり、北海道、東北、関東、近畿、中国、四国地方の議員も加わるようになった。議会事務局所属を含む自治体職員、議会に関心を持つ市民も参加している。
 議員間討議の研修会は他のテーマと同様に議員の中から提案があり、大野城市の議員を中心に運営した。市内の研修施設に集まったのは福岡、佐賀、熊本、大分、鹿児島県の市議、町議と市民の約40人。6、7人の模擬委員会を6グループつくり、一つのテーマを2グループずつに割り当てて討議した。
 テーマは以下の3項目で、①と②は実際に議会で論議されたものだ。
 ① 公民館の休館日と開館時間の変更
 ② 老朽化した浄水場の存廃
 ③ 市町合併に伴う図書館の統廃合  執行部役の議員が提案内容を説明し、質疑応答を経て、議員間討議がスタートした。②の浄水場の議論を詳しく振り返ってみよう。
 舞台となる市は、市外からの給水量がかなりの割合を占め、自己水源の河川とダムから浄水場を経由して供給される量は少ない。浄水場は築50年を過ぎている。市は浄水場を更新した場合と廃止して市外からの給水量を増やす場合、それぞれの水道事業の収支、水道料金の見込みを算出している。模擬委員会はこうした背景やデータを基に約2時間にわたって意見を交わした。

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前田隆夫(西日本新聞論説委員)

この記事の著者

前田隆夫(西日本新聞論説委員)

1989年に西日本新聞入社。本社報道センター、東京支社報道部、佐世保支局などに勤務し、主に地方自治、政治・行政分野を担当。2021年から現職。2007~10年、九州大学客員准教授(出向、分権型社会論)、2012~22年、九州大学非常勤講師(人権教育論)。福岡県筑紫野市出身。

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