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2017.01.25 政策研究

被災地に公立初の“森の学校”を

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森の学校のための森づくりと森の教室づくり

 当財団が進める復興の森の整備や森の教室づくりは、民間企業や個人のご支援により順調に進みました。はじめに取り組んだのは、東松島市が震災後高台移転用地として買い取った山林の環境調査です。造成対象の約90ヘクタールは、復興特区として環境アセスメントは免除されていましたが、自然保護団体である当財団が関わる以上、環境調査は必須であるため、震災復興プロジェクトの一環として実施しました。現況の自然環境を記録し、貴重種があれば保全の方策をとるために、調査データをもとに森の整備計画を練りました。
 また、子どもたちがすぐにでも利用できる森の教室づくりも、「森の学校プロジェクト委員会」の中で検討しながら計画をしていきました。2013年5月に完成したツリーハウスは、被災後初の新しくできた建物となりました。子どもたちや地域の方と一緒に森の整備を行い、森の学校を象徴するようなワクワクするシンボルになりました。ツリーハウスの周辺にあった木を使い、樹木の枝ぶりをそのまま生かしたツリーハウスは、まるで子ども一人ひとりの個性を生かす教育のあり方を体現してくれているようです。他にも復興の森の尾根沿いに道をつくり、海を臨める見晴らしのよいところに展望デッキをつくったり、尾根の中腹には、森の音を静かに聞いて自分と向き合える場所・サウンドシェルターをつくるなど、校舎はなくても森で学べるよう教室づくりを進めてきました。

写真3 子どもたちや地域の方とつくった森にできたツリーハウス写真3 子どもたちや地域の方とつくった森にできたツリーハウス

図2 「森の学校プロジェクト」森の教室マップ図2 「森の学校プロジェクト」森の教室マップ

この記事の著者

一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団

森を守る。子どもたちの笑顔と日本の未来のために――作家C.W.ニコルが、1986年より日本の森の荒廃を憂い、長野県黒姫にある放置された里山を自ら買い取り、生命力豊かな本来の日本の森をよみがえらせることを目的に森づくりを始めました。2002年、森を永遠に残すためにC.W.ニコル・アファンの森財団を設立。手入れを始めて30年目の森には、地域的に絶滅が危惧される動植物が戻り、森の生態系が戻りつつあります。また、生命力あふれる豊かな森は人の心も豊かにすることを信じ、身体に障害のある子どもたちや心に傷を負った児童養護施設の子どもたち、被災地の子どもたちを森に招く「5センスプロジェクト」を実践。これがきっかけとなり、津波による被害を受けた小学校の再建に当たり、公立初の“森の学校”にすべく、東松島の森の再生と子どもたちの心のケアの活動を続けています。森林保全活動を通じて、地域の自然共生型社会形成に寄与することを目的に活動を展開しています。

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