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2017.01.25 政策研究

被災地に公立初の“森の学校”を

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官民連携の森の学校プロジェクト委員会がスタート

 人の手によってよみがえった黒姫の「アファンの森」を見て、“自然をよみがえらせることが何より復興につながる”と感じた東松島市職員たちの働きかけにより、壊滅的な被害にあった野蒜地区の高台移転計画の中で、再建しなければならない野蒜小学校を森の学校にすることを東松島市の復興計画の目玉の1つにしたいと、同市から当財団に協力要請をいただきました。
 そして、当財団が中心となって、「アファンの森 震災復興プロジェクト」にご支援いただいているイオンワンパーセントクラブを筆頭とする企業の皆さんを巻き込み、東松島市教育委員会、同市復興政策部、大学研究機関とともに森の学校プロジェクト委員会を2012年2月にスタートさせました。同年7月には東松島市と当財団との間で「震災復興に向けた連携及び協力に関する協定書」を締結し、森林再生や自然環境調査、環境教育、人材育成など森の学校に関することを連携・協力して復興に取り組んでいくことになりました。
 私たちが目指す “森の学校”とは、公的教育の中で、日常的に地域の里山や田んぼ、川や海の自然の中で、体を動かし、五感を使い、想像し、表現し、理解する経験を通して、責任感を育て、不測の事態に直面しても、的確な判断と行動ができるたくましい人間に育てるための教育環境が備わった学校です。
 そのために不可欠な森は、高台移転の学校用地に隣接する市有林を当財団に整備等委託する協定を結び、その市有林(森)を「復興の森」と呼んで、高台に校舎ができた暁には、森と一体となった公立で初めての“森の学校”となるよう準備を進めることになりました。

写真2 森の学校プロジェクト委員会が2012年2月にスタート写真2 森の学校プロジェクト委員会が2012年2月にスタート

図1 アファンの森 震災復興プロジェクト東松島「森の学校プロジェクト」体制図図1 アファンの森 震災復興プロジェクト東松島「森の学校プロジェクト」体制図

この記事の著者

一般財団法人C.W.ニコル・アファンの森財団

森を守る。子どもたちの笑顔と日本の未来のために――作家C.W.ニコルが、1986年より日本の森の荒廃を憂い、長野県黒姫にある放置された里山を自ら買い取り、生命力豊かな本来の日本の森をよみがえらせることを目的に森づくりを始めました。2002年、森を永遠に残すためにC.W.ニコル・アファンの森財団を設立。手入れを始めて30年目の森には、地域的に絶滅が危惧される動植物が戻り、森の生態系が戻りつつあります。また、生命力あふれる豊かな森は人の心も豊かにすることを信じ、身体に障害のある子どもたちや心に傷を負った児童養護施設の子どもたち、被災地の子どもたちを森に招く「5センスプロジェクト」を実践。これがきっかけとなり、津波による被害を受けた小学校の再建に当たり、公立初の“森の学校”にすべく、東松島の森の再生と子どもたちの心のケアの活動を続けています。森林保全活動を通じて、地域の自然共生型社会形成に寄与することを目的に活動を展開しています。

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