弁護士 滝口大志
「地方自治勉強会」について
この勉強会では、議員と弁護士とが、裁判例や条例などを題材にして、それぞれの視点からざっくばらんに意見交換をしています。本稿では、勉強会での議論の様子をご覧いただければと思います。発言者については、議員には〔議〕、弁護士には〔弁〕、コラムニストには〔コ〕をそれぞれ付しています。
なお、勉強会は自由な意見交換の場であり、何らかの会派、党派としての見解を述べるものではありません。
〔今回の勉強会の参加者(五十音順)〕
石田慎吾(品川区議会議員)
加藤拓磨(中野区議会議員)
上村遥奈(弁護士・第一東京弁護士会・弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所)
サンドラ・ヘフェリン(コラムニスト)
滝口大志(弁護士・第一東京弁護士会・丸の内仲通り法律事務所)
千葉貴仁(弁護士・第一東京弁護士会・東京リーガルパートナーズ法律事務所)
中村延子(中野区議会議員)
本目さよ(台東区議会議員)
はじめに
滝口大志〔弁〕 子どもというのは、かわいいものです。
千葉貴仁〔弁〕 人の親になるとなおさらですね。
滝口〔弁〕 とはいえ、子どもはエネルギーの塊みたいなものです。
中村延子〔議〕 子どもたちは公園でも元気いっぱいです。
本目さよ〔議〕 詳細は分かりませんが、最近、公園で遊ぶ子どもの声が原因で公園が廃止になったという報道がありましたね。
滝口〔弁〕 子どもの声は騒音ということなのでしょうか。今回は、「子どもの声は騒音か」というテーマで話し合いたいと思います。
海外ドイツでは
滝口〔弁〕 さて、日本での議論も大切ですが、海外にも目を向けてみたいと思います。ドイツでは子どもの声は騒音ではないという法律が制定されていて、日本よりも議論が先行しているように見受けられます。というわけで、コラムニストのサンドラさんに、ドイツの社会状況をお聞きしたいと思います。
サンドラ・ヘフェリン〔コ〕 はじめまして。私は日本人とドイツ人のハーフです。日本とドイツを行ったり来たりして過ごしています。私からは、ドイツではどのような議論があって法律が制定されて、その結果、社会がどう変化したのかについてお話ししたいと思います。
滝口〔弁〕 私からは、法学論文を参照しながら、日本やドイツでの法律や裁判などの法的な側面を補足したいと思います(1)。