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2020.08.25 議員活動

第2回 福岡市屋台基本条例から「まちづくり」を考える

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新規参入は可能になったのか

滝口 先ほど「屋台営業の新規参入は原則認めない」という話がありました。結局、新規参入は可能になったのでしょうか?
花田 福岡市屋台基本条例では、公募によって新規の許可申請が認められるのが原則です。
滝口 公募ではどのように選抜するのですか?
花田 福岡市が平成30年12月に公開した「福岡市屋台営業候補者募集要項」によると、1次審査(筆記試験)と2次審査(書類審査、面接審査)が実施されています。

現に屋台営業している人はどうなるのか

加藤拓磨〔議〕 条例の制定前から屋台営業をしている人はどうなるのでしょうか?
花田 現に道路占用許可を受けているなどの一定の条件を満たせばそのまま屋台営業を続けることができます。許可の期間が満了した後には更新申請をすることになります。
加藤 更新申請が通らないこともあるのですか?
花田 今回の裁判例では、更新申請が通らなかったために紛争となりました。更新申請を通すかどうかについては、福岡市長の裁量にある程度委ねられている面があるでしょう。
加藤 では、現に道路占用許可を受けている人の家族はどうなるのでしょうか?
花田 屋台収入で生計を維持しているなどの一定の条件を満たせば、現に許可を受けている人の配偶者と直系血族については、公募を経ないで一度だけ承継させることが可能です。
滝口 屋台営業で生計を立てている人たちからすれば、それは「家業」ということですかね。
花田 今回の裁判例では、制度移行期における経過措置というか、いわば激変緩和措置であるという評価をしています。
上村遥奈〔弁〕 承継が一度だけというのはシビアな気もします。
花田 今回の裁判例では、通常の申請者とは違って公募を経ないで許可を得ることができるという意味ではむしろ優遇措置であると評価しています。承継後に公募に応募する形で新規の許可を得ることができれば屋台営業を続けることが可能です。

滝口大志(弁護士)

この記事の著者

滝口大志(弁護士)

1982年千葉県生まれ 千葉大学法経学部法学科卒業、九州大学法科大学院修了 弁護士登録(第一東京弁護士会)(新第65期) 主な著書に、『建物明渡請求の事件処理50』(税務経理協会、2016年)など

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