北海道斜里町議会議員 櫻井あけみ
「よそ者」の女性が町の議員になった
「始まりはどこから? と思うとなんだか不思議です。
いつでも、どこでもここに居る私は、今までの自分の『続き』です。同時に発見や発信はいつも『新品』です。日常は続きの連続です。つながって、つながって『今』です。
さて、これから書き連ねたいことたくさんです。
読んでくれる人がどれだけ居るのか分かりませんが、『発信』します。
受け止めて下さい。時には返して下さい。」
これは、2007年4月の統一地方選挙に立候補をし、当選、それから間もなく始めたブログの1回目に書いた言葉です。
私は、北海道オホーツク海側に位置する、斜里町の議会議員です。斜里町というよりも「知床」といった方が分かりやすいかもしれません。人口は1万2,000人、農業・漁業そして観光が主産業の地域です。私は、おそらく、この町の議会議員では初めての「よそ者」の議員なのだと思います。ここでいう「よそ者」の定義は、親類がいない、同級生がいないことでしょうか。そして、先に辞められたお二人に続いて3人目の女性議員となりました。
長らくまちづくりグループの事務局をやっていたこともあり、そのメンバーの誰が立候補をしてもよいだろうという中で、専業主婦であり子育ても一段落してきた私が「立候補するわ」と決めた1期目は、その立候補表明をしたとたんに、無名の電話が毎日かかってくる状況になりました。
「櫻井? どこの櫻井だ?」、「旧姓は?」、「親類も同級生もいないヤツがこの町の議員になるなんて、あり得ないからな」、「女のくせに」、「よそ者が」……。
こんな電話で始まったのが、私の初めての選挙活動でした。
「どっち派?」……これは、町長選挙の両候補のどちらの支持かを聞く言葉。
「どこのムラ?」……これは、漁業系か農業系か商業系かを聞く言葉。
「自民か連合? 共産か?」……これは、国政政党を確認する言葉。
しかし、私を応援してくれる後援会のメンバーは、支持政党も職業も、応援する町長候補もみんなバラバラでした。そんな中で、後援会長は常に「是は是、非は非」、そして、誰もが「しがらみのない活動・立ち位置」を口にしました。そんなメンバーに応援され、議論し、動き出せた私の議員活動は、昨年(2015年)の選挙で3期目を迎えました。この2015年の選挙は無投票という結果に終わったこともあり、平均年齢はそのまま引き上がり、議会はもっと変わらなくてはならないと期待していた私には、少し残念な結果でしたが、私は初当選のときから変わらず、しがらみなどはつくらない、是は是、非は非の議員活動を私らしく、まじめに一生懸命にやっていくことに変わりはありません。