「当局のスパイ」から「議員を本気にさせる」事務局へ
第2部として3つの研究会からそれぞれの活動を総括した基調報告がなされた。
最初に、いわて議会事務局研究会の久慈市議会事務局主任・長内紳悟氏は、「岩手県市議会議長会を母体にしているが、今ではオフサイトミーティングとしても活動している。最初は『当局のスパイ、御用聞き、過ぎた調整役』であったが疑問を感じ、今は『事務局の本気を見せて、議員も本気にさせる』ために活動している」と報告。
議会事務局実務研究会の町田市議会事務局担当課長・香川純一氏からは、「実務家に限定した約20名のメンバーで、フランスのカフェのような議論の場、共同設置した議会事務局をイメージして設立した。実務問題にこだわり、『全てを備えて、静かに時を待つ』ことをコンセプトに活動している」と報告があった。
議会の意思決定の質を高める
議会事務局研究会共同代表の三重県地方自治研究センター上席研究員・高沖秀宣氏からは、「議会事務局職員だけでなく、首長、議員、研究者などもメンバーに含まれるのが特徴。過去には、3回のシンポジウムを開催するとともに、マニフェスト大賞も受賞し、これまでの成果を総括した本の出版も予定している」との報告があった。
最後に議会事務局研究会首長会員の湖南市長・谷畑英吾氏は、「首長の役割をできる限り小さくし、議会の役割を大きくする。議会の意思決定の質を高めることが、地方自治体のガバナンス強化の近道」と力強く語った。