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2015.12.10 議員活動

Think Globally, Act Regionally! ~小笠原村議会が挑んだ、司法過疎対策~

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地方議会の視点

◇意見書提出は地方議会だけの権能
 地方議会は住民の生活とともにあり、特に市区町村議会は住民と最も身近な距離にあります。いうまでもなく地方議会は地方公共団体の意思決定を行う住民の代表者であり、首長は意思決定に基づいて予算編成や執行等の事務をつかさどる地方公共団体の代表者です。地方議会の議員は住民でなければなれませんが、首長は住民である必要はありません。今回、地方自治法99条に基づく意見書を政府と国会に提出しましたが、法に基づいて提出できるのは住民の代表たる地方議会だけの権能です。首長には与えられていません。

◇目の前の課題解決の先に理想の未来像がある
 小笠原村議会では近年、国や東京都に対して住民の視点に立った意見書が頻繁に審議されています。村民は多くの場合、国や東京都の施策であったとしても、まずは身近な村議会議員に相談をしてきます。村議会はその最初の受け皿になることが求められます。私はこれまでに防衛省、財務省、法務省、環境省、気象庁等に要望をしてきましたが、最初のきっかけは村民の声がほとんどです。在日米軍に村議会の決議を送付して、村民の要望をかなえてもらったこともあります。時には他国の政府や海外企業にも働きかけをしなければならないこともありますし、辞書を引きながら英語の資料や難解な学術書や法令を読まなければいけないときもあります。
 私は村の課題をピックアップするとき、主義、思想、理論に基づく机上の空論ではなく、一人ひとりの村民・現場の声を最も大切にしています。その課題を解決するときには、自ら限界と境界線をつくらずに幅広い視野を持ち、広く可能性を探るために調査研究をして政策を立案し、利害関係を調整した上で政策を実行する必要があると、いつも自分に言い聞かせています。さらに、目の前にある村民の課題を一つひとつ解決していく先に、地方分権や地方創生という理想の未来像があるのではないかと考えています。

■参考
・第4次小笠原村総合計画
 http://www.vill.ogasawara.tokyo.jp/wp-content/uploads/sites/2/2014/10/op140415_ogasawara.pdf
・小笠原村の歴史
 http://www.vill.ogasawara.tokyo.jp/history/
・小笠原村観光局
 http://www.visitogasawara.com/index.html

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一木重夫

この記事の著者

一木重夫

小笠原村議会議員、博士(水産科学)、小笠原空港開設推進特別委員会・委員長。 1971年千葉県千葉市生まれ。海好きから水産学部を志し、1992年北海道大学に入学。大学院修士時代に小笠原海洋センターでボランティア活動。2001年、小笠原でホエールウォッチング協会に就職。エコツーリズム推進に明け暮れる中、村議会を傍聴し議会事務局でアルバイトをしていた妻と結婚。2007年の村議会議員選挙に立候補、158票、9人中5位で初当選。2015年、民事調停テレビ会議システム導入で第10回マニフェスト大賞最優秀政策提言賞受賞。12歳の娘と8歳の息子の父。現在3期目、44歳。 ◆公式HP http://www.k5.dion.ne.jp/~ichiki/index.html ◆Facebook http://www.facebook.com/shigeo.ichiki ◆ブログ http://blogs.yahoo.co.jp/ichikishigeo_07

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