7 事実経過に関する主張対応表(原告、被告顧問、被告副顧問)(ウ)
8 原告指示説明と被告指示説明の食い違い
上記のとおり、原告側と被告側とでは、主張事実に食い違いが生じている。この相違点については、今後の第12回口頭弁論期日平成24年5月24日(午前・午後)の風音と英士さんの証人尋問、第13回・第14回口頭弁論期日同年6月14日(午前)・同年7月5日(午前)における顧問の証人尋問・反対尋問、第15回口頭弁論期日における副顧問の証人尋問をも行った上で、主張事実を裏付ける立証が重ねられることになる。
証人尋問における被告側の言説のひどさについてはまた次回に詳述するとして、食い違いについては、裁判所が被告側主張ではなく、風音の現場説明を含む主張事実を採用したことは、判決を読めば明らかである。苦しみながらこの剣道場に再び立った風音の気持ちに思いを馳(は)せたい。
平成25年3月21日付け判決文には、このように原告側の主張事実を採用し、被告顧問側の主張事実を否定する箇所が何か所も出てくる。
例えば、第3 当裁判所の判断、2 事実認定、(4) 本件事故日の練習の状況等、ウ 休憩後の練習後半中、「被告顧問が、『演技するな。』などと言いながら、剣太の右横腹部分を前蹴りした。剣太は、一旦は踏みとどまったものの、ふらついて倒れた。なお、被告顧問は、剣太が倒れることはなかったと主張するが、証拠に照らし、採用できない」、また「被告顧問が、剣太の頬を叩き、剣太は再び立ち上がったが、道場内の女子部室の方へふらふらと歩いて行き、壁に額を打ち付けて倒れた。なお、被告顧問は、壁に額を打ち付けた後、剣太は壁に背中をもたれ掛けて長座姿勢で座り込んだと主張するが、これらの証拠に照らして採用できない」。
自らの行為の是非を顧みることなく、パイプ椅子を投げ、平手打ちを「気付け」と表現し、前蹴りを「右足の裏で右胴部を押した」と表現する顧問教諭に、果たして、剣道の理念を語り、子どもたちの指導に関わる資格はあるのだろうか。