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2019.02.25 政策研究

「議員の役割を果たして」 ─大槌町旧役場庁舎問題から見る議会の役割─

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「考えることをやめてはいけない」

 東日本大震災時、住民の命を守るべき町が、その役割を十分に果たさないまま、多くの町職員が亡くなったことで、町内には町への憎悪が根強くあります。「旧庁舎は町の恥」、「震災で亡くなったのは町職員だけではない」。住民のやり場のない怒りが、当時の責任者ではなく、旧庁舎に向けられていたように感じます。
 ただでさえデリケートな問題を、平野町長が事実上、「政争の具」にしたことで、ますます冷静な議論ができなくなりました。ある町民は、「解体に異を唱えれば村八分になる」とおびえ、「議論がタブー視される状況はまずい」と警鐘を鳴らす識者もいました。
 議会もその延長線上にありました。表面上は町長と対峙(たいじ)してきたようにも見えますが、議会としての熟議を放棄し、個々の議員の判断に委ねました。特に、解体予算案可決後は、「一度決めたこと」とし、その後、状況が目まぐるしく変わっても目をつぶり続けました。
 皆さんが住む町で同じような問題が起きたとき、議員は何をすべきなのでしょうか。最近は全国的に「議会改革」が叫ばれ、先進地の視察や条例制定に躍起になっているようですが、そもそも議会改革は何のため、誰のために行われるべきなのでしょうか。まずは、目の前で声を上げている住民の意見をよく聞き、さらには住民の声なき声を拾い上げ、議会で熟議を尽くした上で、町政に届ける。そんな当たり前のことが、一番大切なのではないでしょうか。「おおづちの未来と命を考える会」の髙橋代表が主張するように、町長ではなく住民側に寄り添い、最後まで「考えることをやめてはいけない」議会であってほしいと切に願います。

Ooduchi_hyo02 表2 旧庁舎をめぐるこれまでの動き

菊池由貴子(大槌新聞社)

この記事の著者

菊池由貴子(大槌新聞社)

1974年岩手県大槌町生まれ。岩手大学農学部獣医学科在学中に大病を患い、やむなく中退。東日本大震災の経験から、全国紙でも県紙でもない「市町村新聞」の必要性を痛感。2012年6月30日大槌新聞を創刊し、2016年4月一般社団法人大槌新聞社を設立。取材から執筆、編集、事務経理や広告受付までを一人でこなす。大槌新聞は町外にも発送可。電子データでの購読もできる。詳細は大槌新聞社HP(http://www.otsuchishimbun.com)。

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