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2016.03.25 議員活動

現職議員が語る二元代表制のリアル(上)

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議会は自由主義的でなくてはならない

――半田さんは、地方議員の存在意義をどうお考えですか。
半田 これは三鷹市というわけではなく地方の現実として、与党の議会質問は行政が立てた計画を補完するのが役割だと思います。与党の議員は、権力者のトップである市長を支える側であると同時に、市長のサジェスチョンに基づいて、それを側面から支えていく役割が求められている。
 そうであれば、たとえ与党議員であっても本当に政策を実現するという発想があるのか疑問を感じます。首長になる政治家は、政策を実現したいからこそ予算編成権があるトップを目指すのでしょう。一方、地方議会が政策立案した、行政の計画にない事業に新たに追加される事案は、ほとんど見られません。もちろん、与党の議員も一生懸命です。議会での問題提起もあります。ただ、それは与党としての意見なのかというと、一個人の意見でしかないことが多いのです。
――では、地域住民と行政のパイプ役としての議員の存在意義についてはいかがでしょうか。
半田 逆説的ですが、議員はそんなことをやる必要はないと思っています。それは当然に行政の仕事だからです。間に議員を置かなければいけない必然性がないのです。もちろん頼ってくる人を無視するのとは違います。困っている人を行政につなぐことも、議員に求められている仕事です。ただ、私が言いたいのは、それだけに終始しているのが議員の本来の業務ではないということです。
 地域の声を拾うという発想は、民主主義的なボトムアップの考え方です。しかし、その大前提として、二元代表制の議会は自由主義的であることが重要だと、私は声を大にして言いたい。自由主義的というのは、権力の均衡が保証されているということです。国家でいうならば、司法、立法、行政の三権分立ということです。二元代表制である以上、議会本来の仕事は、権力の均衡を図るため権力のあり方をチェックすることに尽きます。

 少数派議員にそもそも政策を実現することはできないと、二元代表制への絶望が語られ話題はさらに過激な地方政治の実態に……。この続きは次回4月25日号に。乞うご期待!

 


 

〈プロフィール〉

鷹羽登久子

鷹羽登久子 たかば・とくこ
大府市議会議員。1966年愛知県知多郡美浜町生まれ、知多郡東浦町で育つ。結婚して大府市へ。元夫の転勤で広島市安佐南区、福岡市東区に延べ6年。大府市に戻り現在に至る。
学歴:東浦町立片葩小学校、東浦中学校、愛知県立刈谷北高等学校、愛知淑徳短期大学国文学科卒業(女子は4年制大学に行ったら就職できないといわれていた頃でした)。
職歴:【正規雇用又はフルタイム】河合塾予算管理室に新卒で就職。育児休業制度がなかった時代、出産を機に退職。夫実家の家業従事。自動車部品メーカーの事務正社員。飲料ベンダー会社の経理事務。【非正規】アクセサリーショップ、食品製造加工会社、ダスキンハーティ(交換に定期訪問する人)、スーパーの早朝品出し、ブックオフ倉庫で古本の仕分けやピッキング、コールセンター派遣(非正規は掛け持ちのものもありました。出産で一度正規ルートを外れると、生活のために雇ってくれるところを転々とするしかない、の典型な経歴ですね)。
成人した3人の子は独立し、今は保護猫と同居。
ホームページ http://teamtokuko.jimdo.com/
Facebook https://www.facebook.com/TakabaTokuko/
ツイッター https://twitter.com/takaba_tokuko

黒川滋

黒川滋 くろかわ・しげる
2011年12月~朝霞市議会議員、2期目。保育・介護・都市交通など都市の安心に関わる課題に取り組む。1970年生まれ。18歳まで朝霞市で育つ。高校生のときに学生運動のまねごとをしていたときの仲間の誘いで政治に接点を持ち始める。1989年進学を機に、バブル難民として札幌市で独居を始め、そのまま札幌の老舗文具卸売業に就職。9年間に選挙の支援や社会的な運動と関わりながら、北海道の市民運動、労働運動、政治が一体となって社会改革に取り組む西欧社会民主主義的な風土を体験。1998年自治体職員や公共サービスで働く人の労働組合、自治労中央本部の職員に転職。福祉や臨時・非常勤職員の運動を仕事に。2011年11月退職し、朝霞市議会議員に立候補し、12月に当選、2015年12月1,400票で2回目の当選。
ブログ「きょうも歩く」 http://kurokawashigeru.air-nifty.com/
ツイッター https://twitter.com/kurokawashigeru

半田伸明

半田伸明 はんだ・のぶあき
三鷹市議会議員。1970年福岡生まれ。11歳で三鷹市大沢台小学校に転入。三鷹第七中学校卒業。中央大学法学部法律学科入学。大学では憲法研究会に所属。特に地方自治を勉強。卒業後、あさひ銀行(現りそな銀行)入行。中小企業の財務分析に明け暮れる。財務分析能力は地方自治の健全化のための大きな武器と考える。2003年33歳で三鷹市議選に初当選。翌年、借金予算案に賛成する民主党三鷹と決別し離党。以来、政党や組織、しがらみに全く関係ない完全無所属を貫く。選挙カーを使わず、選挙ポスターも自費作成するなど、選挙に税金を使わないスタイルで、2015年には4期目の当選。妻と、10歳、6歳の息子とアパート暮らし。
ブログ http://ameblo.jp/handanobuaki/
ツイッター https://twitter.com/handa_nobuaki

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