相模原市議会議長 阿部善博
概要
平成28年2月15日、相模原市議会(阿部善博議長)と東京都町田市議会(上野孝典議長)は、議会を取り巻く今日的な課題にともに取り組むため、包括連携協定を締結しました。両議長は、今後、相互に連携を深めながら、調査研究や人材育成などを行い、両市議会の発展につなげていくことを確認しました。
協定の目的は、相互に協力して取り組むべき課題に的確に対応するとともに、市民に信頼される議会を目指し、更なる議会の改革と機能の強化、人材の育成に資することとしています。
背景
神奈川県と東京都という都県をまたぎ、境川を挟んで接する相模原市と町田市は、これまでも文化・経済・交通など生活の様々な場面で密接なつながりがあり、業務核都市の指定なども経て、市民が相互に交流する生活圏を形成してきました。両市議会では、平成13年度から相互の広域連携の一助となることを目的に、相互に幹事市となってお互いの市の施設や施策を学ぶ視察研修・議員交流会をこれまで15回にわたり開催してきました。
また、両市の課題である小田急多摩線延伸については、両市の議員有志がともに参加する議員連盟を結成して活動するなど、連携の実績も重ねてきていました。
具体的内容と今後の取組
協定では、具体的な連携・協力事項として、
① 政策形成及び調査・研究に関すること。
② 人材育成及び研修・研究環境の充実に関すること。
③ その他前条の目的を達成するために必要な事項に関すること。
の各項目を定めました。
これまで実施してきた相互視察研修等の活動の継続に加え、新たに相互の議会事務局職員の派遣を行い、人材を育成していくことも予定しています。平成28年4月からは、両市の議会事務局から職員を1人ずつ、1年間交換で派遣して研修を行い、互いの議会運営や市議会をめぐる状況等をより深く理解し、相互の議会に還元していくことなどを予定しています。
協定の意義
これまでも議会としての交流は行われてきましたが、改めて協定という形で定めることで、両市に共通した課題や問題に対してより効果的に取り組むことができるものと考えています。また、取組を広く市民に知ってもらい、各議会にとっての今後の両市のあり方についても深く考える機会になるものと捉え、相互理解による議会改革の進展と議会機能の強化も見込まれています。
特色
都県の違いを超え、また政令指定都市と一般市の違いを超え、市民生活の実態に合った市民本位の連携協定は大変珍しいものと考えています。議会同士の連携は様々な形で行われていますが、協定という形で明確にしていくことは大切なことであるとの声が議員からも出ています。
協定書締結式にて
町田市議会の上野孝典議長は平成28年2月15日、相模原市役所の議長室を訪れ、阿部善博議長と協定書を交わしました。協定書締結式で、上野議長は「町田市と相模原市の両市を合わせて110万人の人口を核として、一体化したまちづくりに取り組んでいきたい。両議会の協定締結で、ほかの地域と競争できるようになるものと希望を持っている」と述べました。
阿部議長は「リニア中央新幹線神奈川県駅の市内設置の計画や在日米陸軍相模総合補給廠(しょう)の返還、小田急多摩線延伸等の事業は、両市にとって大きな影響がある。町田市民とともにまちづくりを進めていきたい。今回の協定を第一歩としてさらに連携を深め、よりよい市政発展につなげていきたい」と、期待感を示しました。
※この報告は、客観的な事実を基に、相模原市議会議長・阿部善博の視点からまとめたものです。
協定書と趣旨書については、下記をご参照ください。