小松島市政策法務室長 中村健人
1 はじめに
2014(平成26)年6月13日、52年ぶりの抜本的な改正となる行政不服審査法(以下「改正法」という)が公布された(施行は2016(平成28)年4月1日の予定)。今回の改正は、行政不服審査の公正性や使いやすさの向上の観点に基づいてなされたものである。また、これらの観点からなされた改正法の目玉は以下の3つ、すなわち、 ①審理員による審理手続・第三者機関への諮問手続を導入したこと、 ②不服申立ての手続を「審査請求」に一元化したこと、 ③審査請求をすることができる期間を3か月に延長(現行60日)したことである。その他、主要な改正事項を現行の行政不服審査法(以下「現行法」という)と比較したのが表1である。
本稿は、これらの改正事項のうち特に重要性が高いと考えられるものについて、自治体の議会が、当該自治体において改正法への適切な対応がなされているか否かをチェックする際に有用と思われる情報と視点を提供することを目的としている。
そこで、以下においては、特に重要性が高いと考えられる改正事項の概要を解説した上で、議会におけるチェックポイントについて述べる。
なお、本稿において意見に及ぶ部分は私見であることをあらかじめお断りしておく。