24本のプロジェクト(政策)を提言
本構想の特徴は、①市民主体(行政に依存しないで策定)、②湘南らしさ(海に特化した内容)、③広域連携(一市町村にとらわれないで湘南全域で連携)の3つ。コンセプトは「つながろう湘南、ひかろう湘南」。基本理念は、①湘南の次世代を担う人づくり、②湘南のポテンシャルを活かした活力創出、③湘南の源となる輝きつづける命と絆づくり、④湘南の安心を守る災害に強いまちづくりの4つ。
最終的には24本のプロジェクト(政策提言)としてまとめ、100頁を超える冊子を作成した。2013年2月には最終提言発表会「湘南未来フォーラム2013 in 江の島」を開催し、500人を超える参加者が集まった。提言発表会では、防災・交通分科会は「誰もが湘南防災マイスター」、「自転車で湘南の風を感じよう!」、観光・産業分科会は「“なぎさの駅”~観光元年」、教育・スポーツ分科会は「郷土を学ぶ『湘南学』」、医療・福祉分科会は「50歳からの『湘南大人大学』」の提言を発表。さらに、専門家からの講評の後、来場者500人による政策コンテストの投票を行い、防災・交通分科会の2つの提言が「最優秀提言賞」に選出された。当日は湘南地域の市長、県議会議員、市町議会議員にも多数ご参加いただき、行政や政治家へも広く提言できた。
組織体制の強化と資金確保が課題
本構想を実現するために、当研究所の組織体制の強化と運営資金の確保が大きな課題であった。そこで、当研究所は2013年12月にNPO法人格を取得し組織体制を強化するとともに、2014年度藤沢市公益的市民活動助成事業の助成金を獲得した。また、2014年11月の第9回マニフェスト大賞(マニフェスト大賞実行委員会主催、早稲田大学マニフェスト研究所、毎日新聞社共催)で、本構想の取組が評価され、当研究所が「優秀マニフェスト賞」と「審査委員会特別賞」を受賞した。
これらの結果、当研究所の信用力が向上し、法人会員や企業協賛も得ることができ、当初からの組織体制の強化と運営資金の確保の課題は解決しつつある。
しかし、助成金も企業協賛も単年度の支援であり、活動はいまだ不安定である。今後も企業と連携しつつ、将来的にはNPOとして収入を確保できるような事業を展開していきたい。