学校現場における負担増
磯貝〔弁〕 現在、教員のなり手不足もあり、学校現場での人手不足が深刻化しています。
本目〔議〕 担任の先生が休職してしまい、副校長が担任を兼任することも多いと聞きます。なり手不足もありますし、教育現場での負担感はものすごいと思います。
石田〔議〕 学期の途中で担任の先生が急にいなくなってしまうと、子どもたちはとても悲しい思いをするでしょう。子どもたちのためにも休職者の発生は防ぎたいですね。
滝口〔弁〕 休職者の統計はありますか。
磯貝〔弁〕 手元にあるデータですと、令和4年度の全国の教員の休職者数は約6,000人です。令和8年度はさらに増えていてもおかしくありません。
渡邉健太郎〔弁〕 学校現場で教員が強いストレス環境に置かれていることがうかがわれます。教員への志望者が減るのも納得できるところです。
滝口〔弁〕 これほどの休職者が発生する背景には何があるのでしょうか。
磯貝〔弁〕 教員の就業時間の長時間化があるといわれています。
渡邉〔弁〕 長時間の労働時間が常態化すると十分な休息がとれませんので、心身に大きな影響が生じるのは一般的に認められるところです。労災認定では、長時間の労働時間は重要な判断基準の一つになっています。
滝口〔弁〕 今回のテーマである「学校の保護者対応」は、就業時間の長時間化にどう関わってきますか。
磯貝〔弁〕 教員はもともと忙しいところに、保護者対応が加わる結果として、就業時間が長時間化しているといわれています。
滝口〔弁〕 教員が保護者対応することは、教員としての通常業務の範囲内だと思いますが。
磯貝〔弁〕 それはもちろんそのとおりです。問題なのは、例えば、過剰な要求があったり、長時間拘束されて対応を切り上げられなかったりといった極端な場面です。
本目〔議〕 なるほど。何かトラブルが起きて学校と保護者との関係が悪化している場面では、保護者はそう簡単に引き下がらないかもしれませんね。
教員の働き方改革
渡邉〔弁〕 問題解消に向けた対策は何かとられているのでしょうか。
滝口〔弁〕 給特法では、教員には残業代を支払わない代わりに教職調整額を支給することが定められています。この給特法の改正(1)があり、令和8年1月1日に施行されました。この法改正は、教員の労働時間を減らすことを目的に、保護者対応に外部の専門家を活用するための予算措置を講じることとされています。
本目〔議〕 なるほど。働き方改革の一環として、外部人材である弁護士が関わってくるということですね。
加藤たくま〔議〕 学校での保護者と教員とのトラブルというのは、昔からあったと思いますが、自分が子どもの頃と今とでは、かなり状況が違うようです。
石田〔議〕 今の時代、保護者は教員の対応に納得しづらくなってきているようです。その背景としては、保護者の高学歴化があると思います。教員の権威が後退しているのではないでしょうか。弁護士が保護者対応に関わっていくのは、時代の要請にマッチしていると思います。
加藤〔議〕 働き方改革で教員の待遇を改善した結果として、学校現場での課題が解決していくのであれば、それはとても良いアプローチだと思います。
