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2018.05.10 議会改革

地方議会のゆくえ(下) ──総務省「町村議会のあり方に関する研究会 報告書」を読む──

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山梨学院大学大学院社会科学研究科長・法学部教授 江藤俊昭

 本稿は、サブタイトルにある総務省「町村議会のあり方に関する研究会 報告書」(以下「報告書」という)を検討することを目的としている。当初、その報告書が対象とする「小規模市町村議会のゆくえ」(あるいは「小規模議会のゆくえ」)を主タイトルとしていた。しかし、本稿全体を読めば理解していただけるように、対象は小規模市町村議会であろうとも、その制度化に当たっての発想はそれに限った問題ではなく、地方議会全体、さらには住民自治の問題にかかわる。そこで、主タイトルを「地方議会のゆくえ」とした。

〈目次〉
はじめに──報告書への期待?──
1 研究会設置の目的と報告書の概要
 (1)研究会設置の背景と目的
 (2)報告書の概要
2 報告書の基本的問題
 (1)「国からの改革」、「集権制」、「行政体制強化」
 (2)「議事機関」の軽視
 (3)2つの議会は住民自治を推進するのか 〔以上前々回〕
3 実現可能性からの問題と留意点
 (1)パッケージの要素の連動性の疑問
 (2)集中専門型の非現実性
 (3)多数参画型の非現実性
 (4)なり手不足解消策の非現実性
4 なり手不足を考える上での報告書の違和感
 (1)現場からの声には応えず
 (2)町村総会の非現実性という違和感
 (3)小規模市町村に限定する違和感
 (4)先駆議会が目指す議会 〔以上前回〕
5 なり手不足問題解消の正攻法 〔以下今回〕
 (1)なり手不足の要因
 (2)なり手不足解消の正攻法
6 地方議会のゆくえ──さらなる一歩:多様な議会の創造
 (1)なり手不足解消のもう一歩:地方議会間連携と法律改正の提言
 (2)広範な制度改革に──「拡張性」のさらなる拡張を
 (3)全国町村議会議長会と全国市議会議長会等からの異論
むすび──温情主義的改革とは異なるもう1つの改革を

江藤俊昭(山梨学院大学大学院社会科学研究科長・法学部教授)

この記事の著者

江藤俊昭(山梨学院大学大学院社会科学研究科長・法学部教授)

山梨学院大学大学院研究科長・法学部教授 博士(政治学、中央大学) 1956年東京都生まれ。 1986(昭和61)年中央大学大学院法学研究科博士後期課程満期退学。専攻は地域政治論。 三重県議会議会改革諮問会議会長、鳥取県智頭町行財政改革審議会会長、第29次・第30次地方制度調査会委員等を歴任。現在、マニフェスト大賞審査委員、議会サポーター・アドバイザー(栗山町、芽室町、滝沢市、山陽小野田市)、地方自治研究機構評議委員など。 主な著書に、『続 自治体議会学』(仮タイトル)(ぎょうせい(近刊))『自治体議会の政策サイクル』(編著、公人の友社)『Q&A 地方議会改革の最前線』(編著、学陽書房、2015年)『自治体議会学』(ぎょうせい、2012年)等多数。現在『ガバナンス』(ぎょうせい刊)連載中。

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