2026.02.25 政策研究
第31回 自治体議会における「リーダー」と「フォロワー」
結び
本稿では、自治体議員の皆さんが政策過程(課題抽出、選択肢作成、決定、実施、評価)における発言で、意識すべきものとして、「自治体議会における『リーダー』と『フォロワー』」と、これらに関する事項等について考えてきました。そこでは、次のような含意と政策が抽出されたように思います。
- リーダーは「フォーマルなリーダー」と「インフォーマルなリーダー」に分けられ、フォロワーも「フォーマルなフォロワー」と「インフォーマルなフォロワー」に分けられます。このことは、自治体議会においても当てはまります。
- リーダーには「フォロワーに助けてもらえる、支援してもらえる」という特性があり、その結果リーダーには「フォロワーの能力(思考、行動)を活用できる」「自分の視野が広がる、視座が高まる」というメリットがあります。
- フォロワーについては「リーダーを助ける、支援する」という特性があり、その結果フォロワーには「当事者意識が高まる」「自ら考える習慣が身につく」「自分の視野が広がる、視座が高まる」「提案できるようになる」「結果として成長が早まる」というメリットがあります。
- リーダーやフォロワーがこのようなメリットを活かすためには、リーダー及びフォロワーが具体的な行動をとることが求められます。
- 議会には構成員である議員がリーダーあるいはフォロワーとして活動することにより、組織としての大きな目標が達成できる可能性が生まれてきます。
- パレートの法則は「成果の大半は、全体のごく一部の要因によって生じる」という経験則です。
- シビル・ミニマムやナショナル・ミニマムの判断に当たっては効率性も大切ですが、その前に包摂性(多様な立場や価値観、属性を持つ人々を排除することなく、全体に取り込むという考え方であり、例えば国籍、性別、障がいの有無、性的指向、デジタル(インターネット、コンピュータ)能力の有無などで排除しないこと)という価値が求められます。
- 自治体のサービスにおいては、「パレートの法則」を取り入れていい場合といけない場合があることを忘れてはいけません。
- リーダーやフォロワーには、「不確実性の時代の対応力(=「VUCAの時代の対応力)」が必要です。「VUCA時代に必要な対応力(スキル)」には、「柔軟力(性)」「情報収集分析能力」「創造力」などが挙げられます。
- 議会は組織であることから、議員間の意思伝達に留意することが必要です。もちろん、このことを議会・議員は、市民や行政、さらには国等とのコミュニケーションを図る場合においても留意することが求められます。そうすることで、「情報の非対称性」を小さくすることができます。
- リーダーもフォロワーも、あるいはリーダーになろうとする人もフォロワーになろうとする人も、行動するときにはトリガー(引き金)としてのインセンティブ(誘因)が重要となります。
- どのようにリーダーシップやフォロワーシップを発揮したらよいのか。そのことを熟考するに当たっては、AIを使用することが有意義です。
- AIを利用することによりコスト低減やスキル不足を低減することができます。
- 問い・課題設定が不十分では、AIから出される結果・結論は適切なものとはなりません。
- 人の欲求を満たす業務をAIで代替してしまうとモチベーションがなくなる(減少する)ことが考えられるため、その対応策(=新しい人の欲求を満たす業務提供等)が重要です。
■参考文献
◇伊藤俊幸(2023)『参謀の教科書─才能はいらない。あなたにもできる会社も上司も動かす仕事術』双葉社
