島根大学教育学部教授 作野広和
1 人口減少問題への地域的対応
2023年12月22日、国立社会保障・人口問題研究所は2020年国勢調査をもとに、2050年までの30年間にわたる都道府県別・市区町村別の将来推計人口を発表した。これによれば、2050年の総人口は東京都を除いた全ての道府県で2020年を下回り、25道県では2050年における65歳以上人口割合が40%を超えると推計されている。また、2050年の総人口が2020年の半数未満となる市区町村は20%を占めるとともに、2050年に65歳以上人口が総人口の半数以上を占める市区町村は30%にも達すると推計されている。今後、我が国はさらなる人口減少と高齢化に見舞われることは確実であり、大都市も含めた社会全体の構造変化を強いられることは間違いない。とりわけ、過疎地域で発生する地域課題はさらに深刻化していくと思われる。具体的には、①小売・飲食・医療機関等の生活関連サービスの縮小、②税収減による行政サービス水準の低下、③地域公共交通の縮小・撤退、④空き家・空き店舗・耕作放棄地等の増加、⑤学校の統廃合などが挙げられる。これらの諸課題を解決する主体は、主として自治体と地域コミュニティに大別される。
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