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2016.07.11 政策研究

第1回 「データ」と「理論」に基づく政策づくり

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5 データ・情報はどこに?

 それでは、政策立案で使うべきデータや情報にはどのようなものがあるだろうか。以下では代表的なものについて紹介したい。

5.1 RESAS(地域経済分析システム)
 まずはRESASである。RESASは、国が地方創生事業の一環で提供しているアプリケーションで、人口・産業・観光などに関するデータを地図やグラフで確認することができる。名称に「地域経済分析」とあるように、特に「地域経済」に関するデータが充実しており、地域全体としてのお金の流れ、産業の強み・弱みなどを簡単に把握することができる。その意味では、RESASは、「データ」を提供するものであるとともに、「情報」や「知識」なども提供するものであるといえる。

図3 RESASで表示できるマップの例(上図は流動人口についてのもの)図3 RESASで表示できるマップの例(上図は流動人口についてのもの)

5.2 jSTATMAP(地図による小地域分析)
 jSTATMAPは、市区町村を細分化した小地域(町丁目)を単位に統計データを地図上に重ね合わせて表示するアプリケーションである。機能的には、RESASに類似したものであるが、より詳細な地域を対象に国勢調査や経済センサス等のデータを確認することができるのが特徴である。RESASで様々なデータを広範囲に把握しながらも、小地域を対象に詳細な分析をしたい場合にはjSTATMAPを使うことで、補完的な分析が可能である。なお、同様のツールを自治体が公開するケースもある(8)

5.3 地域の産業・雇用創造チャート
 地域の産業・雇用創造チャートは、当該地域のある産業が「基盤産業(地域の外から稼いでいる産業)」かどうかを把握することができるチャートである。横軸に「稼ぐ力」(=基盤産業かどうか)を、縦軸に「雇用力」(=従業者数の割合)をとり、その2軸で各産業の特性を明らかにするものである。地域の人口を維持するためには、地域の外から稼ぐことができる「基盤産業」の労働者数の維持が不可欠であると指摘されており(9)、地方創生を考えていく上では欠かせない情報である。

図4 地域の産業・雇用創造チャート図4 地域の産業・雇用創造チャート

米山知宏(早稲田大学マニフェスト研究所招聘研究員)

この記事の著者

米山知宏(早稲田大学マニフェスト研究所招聘研究員)

早稲田大学マニフェスト研究所招聘研究員。東京工業大学大学院社会工学専攻修了。株式会社三菱総合研究所、東京大学公共政策大学院(客員研究員)を経て現職。日本公共政策学会会員。関心は、オープンガバメント、市民参加、公共政策。
e-mail:kedamatti@gmail.com
Facebook:tomohiro.yoneyama.71

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