地方自治と議会の今をつかむ、明日につながる

議員NAVI:議員のためのウェブマガジン

『議員NAVI』とは?

検索

特集 過疎に向き合う

2024.05.13 まちづくり・地域づくり

縮充のまちづくりの実現に向けて~兵庫県佐用町〜

LINEで送る

 具体的な検討プロセスとしては、三つの対話の場を用意しました。一つは、行政内部の改革を検討するために副町長を座長とし、主に課長級で構成する縮充戦略会議。ここでは、行政内部の課題と可能性を整理しています。
 地域では、50歳以下の公募メンバーを中心とした佐用町ミライカイギ実行委員会を立ち上げました。これまで地域での対話となると、例えば自治会長や地域づくり協議会の代表など、何かしらの組織の代表が集まることが多かったのですが、今回はあえて若者を中心とした構成員でこのまちの未来を考えることにしました。佐用町ミライカイギ実行委員会では、「このまちの豊かな暮らしってどんなことか」という言語化しにくい話を積み重ねています。参加者は「こんなに安心して話せる場所はほかになかった」、「佐用町内で同世代とこうして未来について話せることがうれしい」、「とても共感できる」といった感想を持っています。現在は実行委員のメンバーで対話を重ねている段階ですが、将来的には佐用町ミライカイギという、誰でも参加でき自由に話し合えるオープンな場を開催する予定です。佐用町ミライカイギ実行委員会は、そのオープンな場に向けた企画チームのような位置付けです。
Tokushu_ph1 ミライカイギ実行委員会の様子

 三つ目は、この二つの対話の場で出た内容を整理し、外部有識者等の力も借りながら、縮充のまちづくりを具体化する会議体として、「縮充のまちづくり検討委員会」を設置しています。検討委員会は、大学教授、社会教育の専門家、中間支援、商工会、農業関係、行政職員など、佐用町に関する多様なステークホルダーが一堂に会する場となっています。2024年4月現在、検討委員会は2回を終え、3回目の準備をしています。2024年度中には、「縮充のまちづくり方針」をとりまとめる予定としています。
 2023年の1年間で、この三つの対話の場を中心として様々な場面で「このまちの未来」について語り合ってきました。そこでは「人口は減っているというが、自分の生活はそこまで困ってない」、「このまちの未来のために子どものことを考えたい」、「実はチャレンジがしやすいまちなのではないか」といったこれまで行政には届いていなかった実感を持った言葉が出てきました。対話を通じたプロセスにはとても時間がかかり、成果が目に見えにくいのも事実です。ただ、誰かが答えを示し、それに従うというのは、とても20世紀的な進め方だと思っています。多様性が前提の社会において、「豊かな暮らし」は人それぞれに異なるように、多様なアイデアや意見をお互いに尊重しながら語り合うこと、このプロセスこそが縮充のまちづくりを深化させていく上でとても大切だと思っています。

Tokushu_ph2

縮充のまちづくり検討委員会での対話 

この記事の著者

編集 者

今日は何の日?

2025年 820

NHK創立(昭和元年)

式辞あいさつに役立つ 出来事カレンダーはログイン後

議員NAVIお申込み

コンデス案内ページ

Q&Aでわかる 公職選挙法との付き合い方 好評発売中!

〔第3次改訂版〕地方選挙実践マニュアル 好評発売中!

自治体議員活動総覧

全国地方自治体リンク47

ページTOPへ戻る