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特集 獣害──共存の模索──

2024.03.25 政策研究

全国初! 獣害対策で広域の議員連盟発足

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東京都有害鳥獣対策議員連盟会長/東京都あきる野市議会議員 天野正昭

 昨年、令和5年秋は、クマによる人身被害を中心にクマの目撃情報が数多くニュースで報道された年でした。私の住む東京都西多摩地域では、クマ騒動がニュースになる以前から、シカ、サル、イノシシといった野生動物による農作物被害が深刻化し、人間生活を脅かす状況が起きていました。
 そこで私は、昨年11月、獣害の悩みを共有する近隣の議員に呼びかけ、「東京都有害鳥獣対策議員連盟(以下「獣害対策議連」という)」を立ち上げました。広域で対策する組織としては、全国で初めてのものとなります。

収穫寸前の畑が全滅被害で奮起

 私自身も農家の生まれで、鳥獣害に悩まされてきた一人でもあります。議員になる前は商社勤務をしていましたが、その傍ら地元で農業を引き継ぎ、畑も耕していました。ある年、丹精したジャガイモが春に、トウモロコシ、サツマイモが夏に、収穫寸前になった状態でイノシシに荒らされ、全滅しました。
 そのときの精神的絶望感といったら……被害換算額をはるかに上回る、筆舌に尽くし難いものでした。
 そのとき、私は心に決めました。何としてもこの手でイノシシを捕ってやる──。
 すぐに行動に移し、罠(わな)と銃の免許をそれぞれ取得。地元猟友会に入り、畑に仕掛けた箱罠でイノシシを数匹捕えることができました。
 このとき以降も「自分の畑に出てきた動物は自分で処理する」という考えで駆除を続け、イノシシのほか令和4年冬にはシカ2頭も初めて捕りました。シカはこの地域にはいなかった動物です。
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イノシシの駆除の様子

 その頃から、クマの目撃情報も含め大動物は確実に生息圧を高め、一人で駆除するにはとても手が回らない状況になってしまいました。しかし、自治体に捕ってくれといったところで、自治体中で獣害被害が報告されているわけですから、助けたくてもそれが不可能なことは明白でした。
 そのときに、近隣自治体でも同じように獣害被害が出ていることを知り、議員同士で連絡を取り合い、少しでも解決策を見いだそうと獣害対策議連を立ち上げることになったわけです。
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シカの駆除の様子

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