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2024.03.11 政策研究

クマ対策を考える~被害を最小限に抑えるために〜

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酪農学園大学農食環境学群環境共生学類教授 佐藤喜和

クマ類による被害の現状

 日本には、本州、四国に分布するツキノワグマと北海道に分布するヒグマの2種のクマ類が生息している。このうち四国を除き、本州と北海道では、ほとんどの地域で生息数が増加傾向にあり、また分布が拡大しているため、人の生活圏への出没や農作物等への食害、及び人身被害など、人とクマ類との軋轢(あつれき)が増加している。
 特に昨年(2023年)は、クマ類の秋の重要な餌となるブナ科堅果類(いわゆるドングリ類)が北海道や東北地方の広い範囲で不作であったため、例年5月〜7月に多く発生するクマ類の人里への出没に加えて、9月以降、10月をピークに人里への大量出没が発生した。これに併せて東北地方では、農地や人家周辺など人の生活圏内における人身被害が多発した。この傾向は特に秋田県と岩手県で顕著であった。また、クマ類の人の生活圏への出没対応として行われる許可捕獲(いわゆる有害駆除)も過去最高の捕獲数となった。
 このような状況を受けて、軋轢が増加している地域から、人里に出没するクマ類の捕獲に関する支援や、指定管理鳥獣にクマ類を加えることで都道府県が取り組むクマ類の管理に対する支援の要望が国に対して行われた。環境省はこれを受けて、関係省庁連絡会議や都道府県鳥獣行政担当者会議、さらにクマ類保護及び管理に関する検討会(以下「検討会」という)を繰り返し開催して情報収集と対応に努めるとともに、クマ類の被害防止に関する対策について議論した。

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佐藤喜和(酪農学園大学農食環境学群環境共生学類教授)

この記事の著者

佐藤喜和(酪農学園大学農食環境学群環境共生学類教授)

ヒグマの生態と保全や管理に関する研究が専門。北海道大学農学部卒業。東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程修了。博士(農学)。日本学術振興会特別研究員(PD)、日本大学生物資源科学部森林資源科学科助手などを経て現在、酪農学園大学農食環境学群環境共生学類教授。日本クマネットワーク代表、環境省クマ類保護及び管理に関する検討会委員など。著書に「アーバン・ベア となりのヒグマと向きあう」(東京大学出版会、2021年)など。

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