議員は専門性も必要
私は、議員は得意分野や専門性を持つべきだと思っている。「○○のことなら、○○議員が詳しい」と思ってもらえる議員が何人もいるグループが力を発揮すると思う。
スタッフを持たず、広い分野に携わる自治体議員にとっては、特定の分野を担当する自治体職員は、知識や情報が豊富で、いろいろなことを教えてもらう存在であり、議論してもなかなか歯が立たないのが現状。ただ、職員には異動がつきもので、一つの分野に長く取り組め、過去の経緯をよく理解している議員の方が優位になることも多い。
若手議員には、ライフワークとして取り組める分野を持ち、その分野の知識を高めることを勧める。
また、長く役所や議会にいると、住民感覚を失ってしまうおそれがある。そのため、常に住民と接し、その声を聞くことが大切だ。住民から理解されない行政はあってはならないことだ。
政治は「日の当たらないところに、日を当てるのが使命」
当選すると、様々な要望や相談が舞い込んでくる。「カーブミラーを設置してほしい」、「道路を修繕してほしい」といった内容が、まず取り組む内容だと思う。中には、行政が扱う内容でないものも依頼される。
「危険だから何とかしてほしい」、「もっと便利にならないか」という内容は、地域住民としてもっともな願いであり、要望だ。地道な活動だが、コツコツと取り組むべきである。議員として認めてくれているからこそ、要望や相談をしてくれるのであり、ありがたいことだ。
一方で、選挙に立候補した思いからすれば、政策的な取組みやまちの大きな問題を解決したい、ライフワークに取り組みたいという思いはあるだろう。
私は、福祉や教育に取り組みたかったし、子どもたちに関する政策を進めたいという強い思いがあった。
私は、時々「票にならないことばかりやる」といわれる。確かに、重度重複障がい者、学童保育、保育所待機児童、発達障がい、不登校等の問題に力を入れて取り組んできた。票になることは多くの議員が取り組むだろうし、施策も進むだろう。しかし、私は、「政治は日の当たらないところに、日を当てるのが使命」との信念を持っている。「誰もやらないなら、自分がやる」との思いが原動力になってきたし、やりがいを感じた。選挙に立候補した動機の「行政は社会的弱者支援を最優先すべき」との思いもある。
若手議員は、ライフワークを見つけ、長い年月をかけて取り組み、一つの政策を実現していくことを目指してほしい。その過程で専門性も身につくし、仲間も増え、実現したときの喜びは大きく、議員冥利に尽きるはずである。