2 「アフターコロナに向けた地域交通の『リ・デザイン』有識者検討会」提言の概要
(1)基本的考え方アフターコロナにおいては、従前は必然であった移動の一部が必然でなくなり、さらに三密を防ぎ快適性・利便性を高めるなど移動の質を向上することも求められる。そのため、住民の生活の目線、来訪者の滞在を歓迎する目線に立って、誰もが気がねなくおでかけすることができ、豊かなくらしを享受できる社会の実現に資するような、移動することを喚起できる交通、いうなれば「ウェルカム交通」が求められている。一方で、地域の実情は様々であること、また、利用者のニーズも多様であることから、全国一律の「唯一解」となるモデルを創出することは不可能である。したがって、「ウェルカム交通」を提供できるようにするためのリ・デザインは、ステークホルダー間で利用状況などの関連データに係る情報の非対称性を可能な限り解消し、それぞれの課題を共有しつつ、未来志向での丁寧な調整、建設的な協議を経て、それぞれの地域においてオーダーメイドで創出する必要がある。
「共創」により地域交通の確保に取り組む場合には、現行の補助制度と比べてより持続可能で実効性のある支援措置を講ずるべきである。

図 アフターコロナに向けた地域交通の「リ・デザイン」有識者検討会について