また、特定のテーマでいえば、「豊田市民山の家・リゾート安曇野問題」についても触れたい。これは、バブル真っ最中の1990年に開館した市民向けの豪華な保養施設だが、私は利用者が偏っている点、現役世代が利用しにくい制度となっている点、繁忙期や1室当たりの利用人数をほとんど考慮しない料金設定のため、計算上、宿泊者1人につき約1万円の公費を補塡している点などを指摘し、収益改善の具体的な提案も行い、土地及び施設の売却も視野に入れた税の有効活用を求めてきた。その後、私が指摘した点などを主な理由に、結果的には2019年3月定例会において、1年後の施設廃止の議案が賛成多数で可決された。
市当局が各種見直しなど、全くその気がないときには、各会派は、予算決算審査などにおいてリゾート安曇野の市民満足度などを強調し、市当局の考えを追認するだけだった。しかし、市財政や施設の老朽化などが問題となり、施設廃止問題が俎上(そじょう)に載せられた途端に、無批判にそれに追従するのだ。
自分たちは市長の応援団だから、過半数を占める最大会派だから、執行部側にとって厳しい質問はしない、反対はしないという考えは、全く自治体議会の役割を放棄しているも同然だ。市長の応援団との認識だったとしても、だからこそ、そうでない「野党的な立場」の会派、議員に先んじて、厳しい質問、答弁しにくい質問を行うのも「与党的な立場」の会派、議員の役割ではないだろうか。そうした執行部との適度な緊張関係が、議員間、会派間の議論の活性化にもつながり、自治体政治をより良いものにつなげていくのではないかと思っている。
今回は、豊田市議会の情けない、お恥ずかしい話題を提供させていただいたが、皆さんの議会はどうであろうか。しっかりとチェックアンドバランスが保たれているのだろうか。二元代表制を理解され、それを体現しているだろうか。
私自身、いつまで議席を確保できるか分からないが、これからもこうした主張を継続し、本来あるべき二元代表制が豊田市議会においても実現できるよう吠(ほ)え続けたいと思っている。