全国若手市議会議員の会OB会会長/豊田市議会議員 岡田耕一
今回、現在私が会長を務める全国若手市議会議員の会OB会に対して、寄稿の機会をいただいた。そのトップバッターとして寄稿させていただく。
まず、全国若手市議会議員の会及び同OB会について紹介する。全国若手市議会議員の会は1994年7月に設立し、会員資格としては35歳以下で初当選した市議、特別区議で構成する。「高い理想と志のもと中央と地方の政治のあり方を真剣に考え、若さと情熱を持ってお互いに研鑽(けんさん)しあい、民主主義と地方自治の発展に寄与すること」を目的に各種研修などを定期的に実施している。そして、45歳の8月末(会の年度末)をもって退会する。
その退会後の受け皿となっているのが、全国若手市議会議員の会OB会である。2022年度は約200人が在籍し、経営者、研究者に転身された方、現職の市議、区議だけでなく、市長、都道府県議や衆議院議員、参議院議員など、様々なステージで活躍している。
そして、年4回程度のリアル研修会とともに、コロナ禍の最近では、オンラインでの研修会、意見交換会も定期的に開催し、孫もいる会員も増えてきたが、若手といわれた頃と変わらぬ高い理想と志を持ち続け、日々研鑽に努めている。
また、先輩会員による北方領土返還要求運動への関わりから、北方領土返還要求運動連絡協議会に加入させていただき、2015年度からは、毎年1~2人の会員を北方四島ビザなし訪問事業の団員として、国後島、択捉島などへの派遣もしている。現在、私も含め7人の会員が北方領土に足を踏み入れ、領土返還に備え、現地の住民と交流してきた。しかし、新型コロナまん延による渡航中止やロシアによるウクライナ侵略の影響により、北方四島ビザなし訪問事業の中断だけでなく、返還交渉が中断されることは本当に残念でならない。
今後、継続して当会の仲間もこれまでの経験と様々な立場から寄稿させていただくので、よろしくお願いします。
さて、本題に入る前に、豊田市と豊田市議会について紹介させていただく。
愛知県のほぼ中央に位置する豊田市は、1998年4月から中核市に移行し、2005年4月に周辺6町村との合併後、人口は5万人増の約42万人、愛知県全体の約18%を占める広大な面積(918.32平方キロメートル)を持つまちとなった。全国有数の製造品出荷額を誇る「クルマのまち」、「ものづくりのまち」であるとともに、市域の約7割を占める豊かな森林、市域を貫く矢作川、季節の野菜や果物を実らせる田園が広がる、緑のまちとしての顔も持っている。最近では、豊田市内にあり、西三河各地の農地や工場に水を供給し続けてきた明治用水の頭首工における大規模漏水問題で全国的にもお騒がせしている。
また、2001年に竣工した豊田スタジアムは、J1リーグ名古屋グランパスエイトのホームスタジアムや2019ラグビーワールドカップの会場など、多くの利活用もされている。ただ、私自身、建設計画時から反対運動をしてきたが、通常の維持管理費だけで年間5億~6億円程度、近年の大規模修繕費を含めると年間10億円以上の実質赤字を計上している(運営会社は黒字だが)ことは大きな問題であると思っている。