今後に向けて
文部科学省による「地域における通学路の安全確保の方策等についての調査研究報告書」(令和3年3月)がまとめたこれからの通学路の安全確保に向けた考え方は非常に示唆的です。少し長くなりますが、引用しておきたいと思います。
全国で子供が登下校中に犯罪被害に遭うケースの多くは、子供だけで行動しているときや、人の目が少ない状況で発生しており、被害を減らすためには、地域全体で、登下校中の子供たちの見守り活動を行うことが効果的である。一方で、人口減少や少子高齢化の進行に伴い、見守り活動を含めた防犯ボランティア活動者数は近年減少している。
登下校時の見守り活動等による通学路の安全確保に向けては、学校を中心に、保護者、地域住民、行政、警察、民間企業、地域団体等が一致団結して連携・協働し、地域全体で取り組むことが重要となる。地域住民一人ひとりが可能な範囲で、子供たちや地域へ目を向け、見守り活動等を実施することで、犯罪や事故が起きにくい環境をつくることができるだけでなく、地域全体で子供たちを助け合う環境が創出され、地域コミュニティを活性化させる効果も期待される。
出典:文部科学省「地域における通学路の安全確保の方策等についての調査研究報告書」(https://www.mext.go.jp/content/20210405-mxt_kyousei02-mext_01335_08.pdf)16頁
地域コミュニティの衰退が叫ばれて久しい現代にあって、今一度、学校を核にしながら地域を盛り立てていくためにも、通学路の見守りをはじめとする安全確保の取組みを、学校と地域が力を合わせる「協働の場」として広げていってはいかがでしょうか。
■参考ウェブサイト(確認日はすべて2021年9月30日)
◇内閣府「登下校防犯ポータルサイト」(https://www8.cao.go.jp/youth/bouhan/index.html)
◇文部科学省「学校と地域でつくる学びの未来」(https://manabi-mirai.mext.go.jp/)
◇文部科学省「学校安全ポータルサイト」(https://anzenkyouiku.mext.go.jp/)
◇文部科学省「『生きる力』を育む学校での安全教育」(https://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2019/04/03/1289314_02.pdf)
◇文部科学省「『やってみよう!登下校見守り活動ハンドブック』について」(https://www.mext.go.jp/a_menu/kenko/anzen/mext_01335.html)
◇文部科学省『地域における通学路の安全確保の方策等についての調査研究報告書』(https://www.mext.go.jp/content/20210405-mxt_kyousei02-mext_01335_08.pdf)