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2021.04.26 まちづくり・地域づくり

SDGsを活用した地方創生への取組み

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1 SDGs合意の背景

 国連によるSDGs合意までの背景を整理すると以下のとおりです。
・1972年開催の人口問題専門家(ローマクラブ)による「成長の限界」への気づきを受けて国連内での温室効果ガス排出制限の議論が始まる。
・1992年開催の地球サミット(ブラジル国リオ・デ・ジャネイロ)で、温室効果ガス排出制限が議論され「アジェンダ21」を採択。
・1997年開催のCOP3(日本国京都)で、各国の温室効果ガス排出量制限(ペナルティ付き)が「京都議定書」として合意されたが、中国は不参加、アメリカ合衆国はこの議定書枠組みから離脱。
・2000年開催の国連ミレニアム・サミットで、開発途上国の2015年に達成すべき目標が議論されミレニアム開発目標「MDGs」を採択。
・2015年開催の国連サミットで、2030年達成を目標とする持続可能な開発のための「2030アジェンダ」を採択。
 この後、2019年国連気候行動サミットでのスウェーデンの高校生グレタ・トゥーンベリさんのスピーチが若者に影響を与え、世界中の高校生・大学生等による地球温暖化反対運動へと拡大した報道は記憶に新しいと思います。

2 SDGsとは何か

 SDGsは、2015年の国連サミットで採択された持続可能な開発目標で、先進国を含む国際社会全体の2030年達成に向けた環境・経済・社会についてのゴール(目標)です。
 SDGsは、2015年12⽉に採択された地球温暖化対策としての「パリ協定」と両輪になって、今、世界を⼤きく変える道しるべとして実現が期待されています。
 国連「2030アジェンダ」の前文では、持続可能な開発のための5Pが示されています。すなわち、SDGsとは、People(人間)、Planet(地球)、Prosperity(豊かさ)、Partnership(パートナーシップ)によるPeace(平和)を目指し、誰一人取り残さない持続可能な開発としています。そして、「2030アジェンダ」では、SDGsの17ゴールと169ターゲットが示されています。

◇17ゴールと169ターゲット
 17ゴールとは、以下の17目標をいいます。そして、17目標には達成指標として169ターゲットが設定されています。これら指標のうち、日本の社会システムに関連する指標を以下で例示します。
【目標1】貧困をなくそう:あらゆる場所のあらゆる形態の貧困を終わらせる。
・7指標のうち、指標1.5「貧困層・脆弱(ぜいじゃく)層の人々の強靭(きょうじん)性(レジリエンス)を構築する」等がある。
【目標2】飢餓をゼロに:飢餓を終わらせ、⾷料安全保障及び栄養改善を実現し、持続可能な農業を促進する。
・8指標のうち、指標2.4「持続可能な食料生産システムを確保し、強靭な農業を実践する」等がある。
【目標3】すべての人に健康と福祉を:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する。
・13指標のうち、指標3.8「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する(すべての人が保健医療サービスを受けられるようにする)」等がある。
【目標4】質の高い教育をみんなに:すべての人に包摂的かつ公正な質の高い教育を確保し、生涯学習の機会を促進する。
・10指標のうち、指標4.7「教育を通して持続可能な開発に必要な知識・技能を得られるようにする」等がある。
【指標5】ジェンダー平等を実現しよう:ジェンダー平等を達成し、すべての女性及び女児の能力強化を行う。
・9指標のうち、指標5.5「政治、経済、公共分野での意思決定において、女性の参画と平等なリーダーシップの機会を確保する」等がある。
【指標6】安全な水とトイレを世界中に:すべての人々の水と衛生の利用可能性と持続可能な管理を確保する。
・8指標のうち、指標6.4「水不足に対処し、水不足に悩む人々の数を大幅に減らす」等がある。
【指標7】エネルギーをみんなにそしてクリーンに:すべての人々の、安価かつ信頼できる持続可能な近代的エネルギーへのアクセスを確保する。
・5指標のうち、指標7.2「再生可能エネルギーの割合を増やす」等がある。
【指標8】働きがいも経済成長も:包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する。
・12指標のうち、指標8.5「雇用と働きがいのある人間らしい仕事、同一労働同一賃金を達成する」等がある。
【指標9】産業と技術革新の基盤をつくろう:強靱(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進及びイノベーションの推進を図る。
・8指標のうち、指標9.4「資源利用効率の向上とクリーン技術及び環境に配慮した技術・産業プロセスの導入拡大により持続可能性を向上させる」等がある。
【指標10】人や国の不平等をなくそう:各国内及び各国間の不平等を是正する。
・10指標のうち、指標10.2「すべての人々の能力を強化し、社会・経済・政治への関わりを促進する」等がある。
【指標11】住み続けられるまちづくりを:包摂的で安全かつ強靱(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する。
・10指標のうち、指標11.b「総合的な災害リスク管理を策定し、実施する」等がある。
【指標12】つくる責任つかう責任:持続可能な生産消費形態を確保する。
・11指標のうち、日本の社会システムに関連する指標として、指標12.5「2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用及び再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する」等がある。
【指標13】気候変動に具体的な対策を:気候変動及びその影響を軽減するための緊急対策を講じる。
・5指標のうち、指標13.1「気候関連災害や自然災害に対する強靭性(レジリエンス)と適応能力を強化する」等がある。
【指標14】海の豊かさを守ろう:持続可能な開発のために海洋・海洋資源を保全し、持続可能な形で利用する。
・10指標のうち、指標14.2「海洋・沿岸の生態系を回復させる」等がある。
【指標15】陸の豊かさも守ろう:陸域生態系の保護、回復、持続可能な利用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処、並びに土地の劣化の阻止・回復及び生物多様性の損失を阻止する。
・12指標のうち、指標15.b「持続可能な森林経営のための資金の調達と資源を動員する」等がある。
【指標16】平和と公正をすべての人に:持続可能な開発のための平和で包摂的な社会を促進し、すべての人々に司法へのアクセスを提供し、あらゆるレベルにおいて効果的で説明責任のある包摂的な制度を構築する。
・12指標のうち、指標16.6「透明性の高い公共機関を発展させる」等がある。
【指標17】パートナーシップで目標を達成しよう:持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する。
・指標は「資金(5指標)」、「技術(3指標)」、「能力構築(1指標)」、「貿易(3指標)」、「体制(政策・制度的整合性)面(3指標)」、「マルチステークホルダー・パートナーシップ(2指標)」、「データ、モニタリング、説明責任(2指標)」に区分されており、体制面の指標の中に17.14「持続可能な開発のための政策の一貫性を強化する」等がある。

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