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特集 これからの時代の議会評価

2021.04.26 議会改革

議会評価モデルで議会カイゼン運動

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西脇市議会議員 林 晴信

1 議会改革はサイクルによるカイゼン運動

 「私たちが目指してるのは住民の皆さんに信頼される議会です」という言葉をよく聞きます。ところが、信頼されるどころか、多くの住民の感覚は「議会なんてあってもなくても同じ」ではないでしょうか。それが根底にあるので、「議員の数を減らす」、「議員の報酬を減らす」という言葉には多くの住民の賛同が集まるのだと思っています。また議員側も「住民は好き放題言う」、「住民は分かってくれない」と半ば逃げ腰になってしまうという、まさに不幸のスパイラルです。
 議会改革というムーブメントが起こり、全国でいろいろな取組みは進みましたが、先進議会の形だけをまねたようなところも多く、今となってはどちらかというと挫折感を味わっている議会も多いように感じています。一問一答方式で質問を行えば住民の理解が得られる、議会報告会をやれば住民の信頼が得られる、そんなわけがないというのにです。
 議会改革は住民自治のプラットフォームに議会がなるためのカイゼン運動です。カイゼン運動とは検証と気づきと実行の繰り返し(サイクル)なのですから、一足飛びに「これをやれば成果が出て、すぐに住民の皆さんから信頼が得られる」というものではありません。カイゼン運動とは地味なもので、しかしジワジワと効果が出てくるものだと思います。

2 議会評価をカイゼンにつなげる

 私は時折、議会改革の議員研修講師に呼ばれることがあるのですが、今年に入ってからは日本生産性本部の「地方議会評価モデル(要約版)」を使用させてもらっています。事前に自分たちの議会は何ができていて何ができていないかを分かった上で研修を受けてもらった方が理解しやすいですし、研修をする側からしても、何を伝えたらよいのかポイントがはっきりしてくるので、非常に有効であると感じています。
 まずは個人で評価項目にチェックを入れていくのですが、一人ひとりの評価にかなりバラつきがあります。個人の主観での評価はそれでいいのですが、大事なのは議会改革委員会なり議会運営委員会なりで討議して意見集約することで、それにより多くの気づきが生まれ、自分たちの議会の現在の立ち位置が明確になってきます。立ち位置が明確になれば次に何をすればよいのかも見えてきます。それが議会のサイクルになると考えています。
 今まで100を超える視察対応や研修対応をしてきましたが、たまに「私たちの議会に何が足りないのか教えてください」と言われることもあります。即効果を求めているのだと思いますが、私に他議会を評価する能力はありませんので、「他人に言われるより自分たちで気づく方が身になりますよ」と返しています。地方議会評価モデルはその気づきが得られる非常に良いツールだと思っています。今後も積極的に使っていきたいと考えています。
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図1

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