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特集 これからの時代の議会評価

2021.04.26 議会改革

議会評価と政策サイクル

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可児市議会議員/ローカルマニフェスト推進連盟共同代表 川上文浩

 新型コロナウイルス感染症の拡大により地方自治体には、その機能を維持継続するため様々な対応が求められることとなった。それに伴い、地方議会の役割やあり方も大きな転換期を迎えている。
 総務省によると、地方議会は多様な民意の反映、合意形成、地域に根差した政策立案が求められ、目前に迫る日本の危機、人口減少・少子高齢化、消滅危機にある農山村地域の自治体、長時間労働と低い労働生産性、老朽化するインフラ、公教育の破綻といった問題について積極的に取り組まなければならないとしている。
 議会改革が形式的(議会運営など)なものから、住民福祉の向上に視点を置いた様々な取組みを行う議会が登場してきたことで、議会改革は第2ステージに突入した。それぞれの地方議会が議会の基本的機能(地方公共団体の意思を決定する機能及び執行機関を監視する機能を担い、長(執行機関)と相互にけん制し合うことにより、地方自治の適切な運営を実現する)に加え、その決定プロセスを住民に明らかにした上で、議会自らが決定した事案について説明責任を果たすことが求められるようになった。
 平成18年に北海道栗山町議会が全国初となる議会基本条例を制定して以来、その制定数は888議会に及び、各議会で様々な機能強化に取り組まれているが、地方議会への不信、議員のなり手不足、若い世代の政治離れ、議員による不祥事など地方議会への評価は厳しいものがある。とはいえ、新型コロナウイルス禍の状況下であっても、議会の政策サイクルを持つ議会は創意工夫をし、そのサイクルを機能させようと努力している。どのような政策サイクルが必要かは、その議会が目指すビジョンや将来像により変わってくるが、可児市議会では「市民に信頼される議会」を目指し「議会の力が地域の未来を創る」をモットーとして「四つのサイクルアニュアルプラン」を機能させ活動している(図1)。四つのサイクルとは、一つ目が、改選後の次期4年の議会使命を明確にして方向を決める「議会運営サイクル」(図2)、二つ目が、決算を起点として次年度予算へ議会の意思を反映させる「予算決算審査サイクル」(図3)、三つ目が一般質問や議会報告会、各種団体との懇談会、地域課題懇談会などで集約された市民意見を委員会の所管事務調査や政策提言に生かす「意見聴取・反映サイクル」(図4)、四つ目が、議会と学校、行政、地域との協働で高校生議会やママさん議会、模擬選挙などを通して課題を抽出し解決していく「若い世代との交流サイクル」(図5)である。これらのサイクルを機能させることにより、市民からの期待(税金の使い方は正しいか、税金がどのように使われたか、その効果はあったのか、市民の声は市政に反映されているか、住民福祉は向上したか、など)に答えることができるよう議会活動を行っている。

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