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特集 これからの時代の議会評価

2021.03.25 議会改革

議会の価値創造を「見える化」する 〜地方議会評価モデルの挑戦(上)〜

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3 価値創造をプロセスから可視化する─地方議会評価モデル

 地方議会評価モデルは、五つの視点と40の確認項目(※要約版はよりエッセンシャルな15項目)から、議会の「状態」を包括的に点検できる評価基準だ。
 評価手法のベースとなっているのは、日本生産性本部が長年取り組んできた「経営品質」の向上という組織マネジメントの考え方である。
 「経営品質」の向上という考え方は「優れた成果は、優れた組織経営から生み出される」という前提の下、組織が成果を生み出す「プロセス」に着目する。リーダーシップや戦略計画といった様々なプロセスと活動結果を包括的に点検し、組織の「状態」を明らかにすることで、「顧客価値の創造」を達成できているか、自己革新を行っているかを測る。
 この手法を用いて、議会特有のプロセスやアウトプットで引き直し、構成したのが地方議会評価モデルとなる。「議会からの政策サイクル」(1)という基本的なプロセスを中核に据え、先進議会の優れた取組みやシステムを抽出・整理し、組織マネジメント論も加え、議会活動に不可欠かつ共通の枠組みとして、次の五つの視点(図1)を設定、40の確認項目を配置している(図2)。
PowerPoint プレゼンテーション

図1 地方議会評価モデルの五つの視点

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図2 地方議会評価モデルの評価項目一覧(標準版)


【視点1】戦略プラン
 理想的な姿の実現に向けた戦略づくりと、その実行のあり方
【視点2】政策サイクル
 「住民福祉の向上」という価値を創造する議会活動の仕組みと、住民とのかかわりのあり方
【視点3】条件整備
 議員や議会事務局が最大限に能力を発揮するための基盤づくりのあり方
【視点4】信頼と責任
 社会的責任や、議決に対する説明責任のあり方
【視点5】ふり返りと学び
 活動のふり返りや、気づきからの学びのあり方

 詳細については、当プロジェクトのホームページから評価項目一覧(標準版)をダウンロードできるので、ぜひ参照してほしい(https://www.jpc-net.jp/consulting/mc/pi/local-government/parliament.html)。
 例えば【視点1】戦略プラン:確認項目②「理想的な姿の構想」は、議会が実現すべき理想的な姿を構想しているかを問う。【視点2】政策サイクル:確認項目①「住民との対話」では、住民との意見交換や、議会活動の報告を通じた住民との対話の取組状況を尋ねている。
 40の確認項目には、議会内の共通理解の浸透やリーダーシップといった概念的な問いもあれば、議員間討議や調査活動といった個別具体的な取組みを問うものもある。
 組織の「状態」を見る際に、ビジョンや戦略と、実践のプロセス、取組みや活動結果が不可分の関係にあるように、議会評価においても、それらは一体的に点検する必要があるためだ。

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