協定の内容と期待される効果
協定を締結するに当たり、どのような内容とすべきかについて統一した認識を図る必要がある。そこで、両市議会事務局長による事前調整後、東海市議会議長会定期総会の際に両市の議長が話し合う機会を見つけて協議した。その後、両市議会で内容の最終確認を経て協定案が固まり、以下の項目を定めることとなった。
1 両市議会は、緊密に連携し情報交換を行う。
2 両市議会は、適切な時期に相互の訪問を実施する。
3 その他、本協定に定めのない事項は、両市議会が協議して決定する。
協定項目については、文化・防災・交通・経済活動等の交流まで詳しく書き込むのか、情報交換や相互訪問を主体とする内容にとどめるのかという点が協議されたが、最終的には後者となった。これは、行政間の協定と違い、議会同士の対応次第でどのようにでも拡張していけるとの柔軟性を持たせる意図がある。
協定締結で期待される効果としては、①高速道路から両市を通る国道県道の一体整備要請や、観光振興・防災対策の支援等について両市議会による国や両県への意見書提出、両市議長による関係機関への陳情要望活動の実施等、②両市の諸問題に係る議会や委員会同士による情報交換の場の創出、③両市議会共催の合同議員研修会の実施、④両市議会事務局職員の交流、等が考えられる。
西日本初の地方議会単独協定締結
協定締結に当たり、全国の事例についてインターネットによる独自調査を試みたところ、地方議会同士による単独協定締結は驚くほど少ないことが分かった。岩手県久慈市議会と千葉県袖ケ浦市議会、東京都北区議会と群馬県中之条町議会、東京都町田市議会と神奈川県相模原市議会と、東日本で3例しか確認できなかった。今回の協定締結は、おそらく西日本では初の事例※ではないかと思われる。今後、両市議会の議会改革にも弾みがつくものと確信している。
※ただし、次の例はカウントしていない。
① 行政間の協定(友好都市協定等)に議会も含めている場合
② 議員連盟として交流している場合
③ 議長会同士の協定
④ 海外の議会との協定