グラフィック・ハーベスティングとは?
グループワークによる問題解決や創造活動を支援し、参加者の満足度も高める協働のためのファシリテーションが注目されているが、グラフィック・ハーベスティングは、そのファシリテーション手法のひとつだ。
議論・対話の流れや結論を文字だけでなくグラフィックを加えて記録するもので、グラフィックがあることで雰囲気や意図していることがより効果的、印象的に深く伝わり、結果として共有化へとつなげる手法だ。
文字だけで記録するのでは、例えば「きれいな花」といっても、どのような色なのか、また本数や種類が分からない。そこへグラフィックを描くことで、イメージが誰にでも分かり、伝えたいことが共有できるようになる。このようにグラフィックを使うことで、カラフルな記録という見た目以上の効果が生まれることも特徴だ。
また、ハーベスティングとは、「収穫」を意味している。模造紙などに記録されたグラフィックを見ることで、議論に参加していない人でもその流れや雰囲気、結論を共有することができる。つまり、議論に参加していない人にも広めることにつながる「収穫」、いわば「価値」につなげようというものだ。
さらに、グラフィックは、対立点や課題をシンプルにすることや場を「ゆるむ化」する効果もある。対立した意見を文字だけで賛成反対を書き並べると、読み手には感情が先立ち、議論の平行線が続き、批判意見がさらに出ることが起きてしまうが、グラフィックを加えることで、場が「ゆるむ化」し、一呼吸おくことができ、課題を再確認することができる。全体像を共有化し、合意形成へつなげようという空気が醸成される効果もある。グラフィックがあることで、右脳が創造しようという刺激を受けるからだそうだ。議会報告会だけでなく、議会の議論の場に導入してもいいかな、とも思えてしまう手法だ。