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2016.08.10 議会改革

第1回 中尾修さん(元栗山町議会事務局長)~人口減少時代の今だからこそ取り組むべき議会改革~

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人口減少時代、議会が果たすべきは合意形成の場としての役割

――人口減少は、やはり議会にも影響がありますか。
 人口規模の縮小に伴い自治体は、長期的に見てインフラの整備・維持や行政サービスの縮小の判断を迫られることになります。限られた財政の中でできることはおのずと決まってくる一方、これまで提供してきたサービスをどう整理するのかといったところで、住民の不安・不平も出てくることになります。その際の合意形成において、自治体議会が果たすべき役割は非常に大きいです。もともと、議会は合意形成・利害調整の場ですからね。議会が議会らしいことをしなければならない時代になってきています。
 何らかの判断を下すことによって住民には相応の負担を強いることもあるでしょう。そんなとき、その判断がどのようになされたものなのかについて、議会・議員は住民に対してきちんと説明ができなければなりません。議員も楽ではないと思いますね。
 議会事務局としては、議員の定数が削減される状況にあっても議会力が低下しないよう、迫っている課題についての先行事例を視察・研究したり、必要なデータを収集したりすることに取り組まなければならないと思っています。

――少子高齢化もますます進むでしょうし、地方が抱える問題は切実だと感じますね。
 そうですね。このような時代であるからこそ、議会が命がけで議論をして結論を導き出すことが重要で、その過程において住民自らもモノがいえるような状態であることが望ましい。まさに議会基本条例の制定はその点に意義があります。情報公開と透明性の確保により、それまでは執行部との間で取引をして進められてきたような物事の決定方法は通用しない、住民監視の中での討議と決定がなされる風土になってきたのです。このような議会運営は議員、そして行政職員を大いに鍛えます。また、同時に住民自治を醸成することにもつながっていくのです。

――最後に議会事務局職員に向けたメッセージをいただけますか。
 議会事務局職員は議会運営において議員と両輪をなす働きが求められているのは先にお話ししたとおりです。議会事務局で働く自分は期間限定商品だと思ってください。市民目線で働ける機会や期間は大変貴重なものです。ぜひそれを有意義なものにしていただけるよう、前例にとらわれることなく仕事に全力で取り組むようにしていただければと思います。

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