(2)条例制定過程
(ⅰ) 庁内体制
担当課は、教育庁(教育委員会の事務局)学校教育局参事(生徒指導・学校安全)であり、参事1名、主幹3名、主査6名、指導主事1名、主任2名の計13名で構成され、このうち事務分掌上、いじめ条例の担当は主幹1名、主査1名、指導主事1名の計3名である。関係課は、条例を審査する知事部局の総務部法務・法人局法制文書課、私立学校を所管する同局学事課である。
条例審査担当部署との協議で、「主な論点」として、①法と条例との関係について、②市町村に対する指導及び助言等について、③私立学校への対応について、④国立学校及び学校設置会社が設置する学校への対応について、⑤地方いじめ防止基本方針の策定について、⑥重大事態の発生時における対応が挙げられた。
(ⅱ) パブリックコメント等
ア 道民意見募集(パブリックコメント)
北海道子どものいじめ防止に関する条例(仮称)素案に対する道民意見を募集した。意見募集期間は、2013年11月6日から同年12月6日まで(郵送の場合は当日消印有効)であった。
2014年2月17日に、意見募集結果が公表されている。78名、3団体から、延べ155件の意見が寄せられ、「意見に対する道の考え方」を、A(意見を受けて案を修正したもの)、B(案と意見の趣旨が同様と考えられるもの)、C(案を修正していないが、今後の施策の進め方等の参考とするもの)、D(案に取り入れなかったもの)、E(案の内容についての質問等)に分けている。同趣旨の意見を除き、88の意見があったが、その内訳は、A2件、B19件、C35件、D30件、E2件となっている。
イ 検討委員会
条例の策定に当たり、学識経験者及び教育関係者等から意見を聴くために「北海道子どものいじめ防止に関する条例(仮称)検討委員会」を設置した。同委員会は、2013年5月15日から2014年1月22日まで、6回開催された。
ウ 地域別説明会
条例の制定に向け、各地域の市町村関係者及び学校関係者等から意見を聴取するために、2013年7月22日から同年8月21日にかけて、道内14管内で地域別説明会を実施した。
(ⅲ) 議会議論
2013年第1回定例会で、「道として他県に先駆けて条例を制定すべきである」との質問があり、知事及び教育長から条例制定に向け取り組むとの答弁があった。
(3)条例等の概要
法の構成は、以下の6章・35条構成である。
第1章 総則(1条─10条)
第2章 いじめ防止基本方針等(11条─14条)
第3章 基本的施策(15条─21条)
第4章 いじめの防止等に関する措置(22条─27条)
第5章 重大事態への対処(28条─33条)
第6章 雑則(34条・35条)
これに対し、条例の構成は、以下の9章・54条構成である。
第1章 総則(1条─10条)
第2章 いじめ防止基本方針(11条・12条)
第3章 いじめの防止等に関する基本的施策(13条─22条)
第4章 いじめの防止等に関する措置(23条─27条)
第5章 重大事態への対処
第1節 道立学校に係る対処(28条─30条)
第2節 私立学校に係る対処(31条・32条)
第3節 市町村立学校に係る調査及び報告徴収(33条)
第6章 北海道いじめ問題対策連絡協議会(34条・35条)
第7章 北海道いじめ問題審議会(36条─45条)
第8章 北海道いじめ調査委員会(46条─53条)
第9章 雑則(54条)
比較すると、条例の6章から8章で、3つの組織を独立の章にしていること以外、法の内容とほぼ同じ構成である。