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2015.04.10 政策研究

〈地方財政〉平成27年度地方財政計画と地方創生

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(4)法定率の見直し
 意外なことに、地方交付税の法定率の見直しが行われる。現行の国・地方の税財源配分等を踏まえた交付税原資の安定性の向上等の観点からの見直しとして、変動の大きい法人税の割合を引き下げ、相対的に安定的な所得税の割合を引き上げ、たばこ税について、地方たばこ税(税収はたばこ税と同水準)があることを踏まえ、交付税の対象から外し、地方税のない酒税の法定率を50%に引き上げることになった。交付額に大きな変動はないが、安定性を増すことになるのだろうか。

地方交付税の法定率の見直し地方交付税の法定率の見直し

(5)2015年度の社会保障の充実
 2015年度においては、消費税・地方消費税の引上げによる増収分を活用して、子ども・子育て支援新制度の実施、地域医療介護総合確保基金の増額及び介護報酬の見直しによる介護職員の処遇改善、国民健康保険の財政基盤強化のための保険者支援の拡充などが予定されており、これに係る地方負担額(6,554億円(前年度比+3,841億円))について地方交付税措置が講じられる。
 2015年度社会保障の充実の主な項目には、以下のようなものがある。基本的に補助事業であるので、国、地方の負担を( )内に示す。
 少子化対策については、合わせて公費負担5,189億円(国:2,392億円、地方:2,797億円)(前年度比+2,129億円)。このうち待機児童解消加速化プランの推進等の量的拡充公費負担3,097億円(国:1,277億円、地方:1,820億円)、職員配置の改善、職員給与の改善等の質の改善に、公費負担2,030億円(国:1,059億円、地方:971億円)。
 医療・介護については、合わせて公費負担8,410億円(国:4,374億円、地方:4,036億円)(前年度比+6,518億円)。うち、医療、国保関係は、地域医療介護総合確保基金(医療分)に、公費負担904億円(国:602億円、地方:301億円)。財政安定化基金造成分含む国保の保険者支援の拡充に、公費負担1,864億円(国:1,032億円、地方:832億円)。
 介護関係は、地域医療介護総合確保基金(介護分)に、公費負担724億円(国:483億円、地方:241億円)。介護職員の処遇改善等の介護報酬の見直しに、公費負担1,051億円(国:531億円、地方:520億円)。地域包括ケアシステムの充実等の地域支援事業の拡充に、公費負担236億円(国:118億円、地方:118億円)。介護保険の1号保険料の低所得者軽減強化に、公費負担221億円(国:110億円、地方:110億円)。
 年金関係は、公費負担20億円(国:20億円)(前年度比+10億円)である。
 社会保障の充実の全体の合計は、簡素な給付措置(臨時福祉給付金)及び重点化・効率化による財政効果分を含めて、公費負担13,517億円(国:6,963億円、地方:6,554億円)となる。
 上に述べた5つの項目を主たる特徴とする、2015年度地方財政計画は、2月17日に閣議決定、同日国会に提出された。

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 地方創生は息の長い取組です。投資的経費と経常的経費のバランスが大切。財源の質にも注意。交付金で行う事業と一般財源を投入する事業のベストミックスを。
□ 地域資源を最大限活用する戦略計画をチェック
□ 事業の性質と財源の質のマッチングをチェック
□ 期中の評価を制度化。螺旋(らせん)的PDCAサイクルをチェック

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