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2026.09.25 New! 政策研究

第78回 多様性(その7):性別

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東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授(都市行政学・自治体行政学) 金井利之

はじめに

 戸籍・住民票に限らず、伝統的には行政は男女という二項的な性差・性別(併せて「性差別」)によって、人々を分別処理してきた。自治体でも同様である。前回(第77回=2026年8月25日号)に触れた年齢構成の統計数値でも、人口ピラミッドの図でも、あたかも当然のように、男女別に計上・形状している。西洋語にはしばしば女性名詞・男性名詞があり、儒学では男女の別を当然の理(ことわり)のように扱ってきた。男女の性別は、「らしい」などとして、言葉遣い(特に口語)、服装、髪型、美容化粧などに影響し、さらには職業や役割分担に及ぶことも多く、逆算的に人生設計や進学・進路選択にも影響するなど、極めて遍在的で根深いものがある。
 さらに、少子化対策・人口政策・婚活対策など、「産めよ殖やせよ」を為政者や多数派や「意識高い系=他人に口出し系」民衆が言い出すと、生殖活動と結合した性別が、特に若年女性(ときに皇后陛下、為政者の用語では「産む機械」、増田氏レポートでは20歳から39歳の女性)を中心に、さらに焦点化され、生身の身体が行政からの介入の客体化を強める懸念も大きい。その醜悪な形態が優生政策である。
 このように、男女二項区分は、権力的な人為性・作為性という性質からは、内外に様々な事象を引き起こしている。外側に向かっては、人々を二つに仕分けることによって、その分類にひも付いた様々な別の分類の活動・対処との連動によって、その型枠による規範化・内面化・安逸・順応・誘導・抑圧・拘束・不適合・紛争などを引き起こしてきた。内側に向かっては、そもそも人々を二つに安易に仕分けることが、様々な軋轢(あつれき)・不具合と順応・同調・圧力を引き起こしてきた(図1)。ある分類をする場合には、比較的容易に分類枠(A/B)に入る個体(a・b)と、分類枠に入りにくい個体(q)とが生じることが、一般的にも見られるが、男女という二項区分でも同様である。
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図1

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金井利之(東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授(都市行政学・自治体行政学))

この記事の著者

金井利之(東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授(都市行政学・自治体行政学))

東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授 1967年群馬県生まれ。東京大学法学部卒業。 東京都立大学助教授、オランダ国立ライデン大学社会科学部行政学科客員研究員、東京大学助教授を経て、06年より現職。 専門は自治体行政学・行政学。主な著書に『自治制度』(2008年度公共政策学会賞受賞)、『原発と自治体』(2013年度自治体学会賞受賞)等。

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