東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授(都市行政学・自治体行政学) 金井利之
はじめに
前回(第69回=2025年12月25日号)において、自治体は単位組織に分解して、その関係又は無関係として理解することができることを示した。しかし、すでに触れているように、その単位組織間関係は、子細に検討すると、いわゆる団体としての自治体(地方公共団体、狭義の自治体)の内部にとどまらない。あるいは、いわゆる団体としての自治体の内外を横断するような、様々な単位組織間の関係が、実質的意味での協働体系又は組織としての広義の自治体を形成しているといえよう(第59回=2025年2月25日号)。今回は、この広義の自治体について論じてみよう。以下、特に断らないときには、今回は、自治体とは広義の自治体を指す。
(広義の)自治体とは、いわゆる団体としての狭義の自治体と、その周囲に関係する様々な団体とから形成されている。つまり、自治体においては、多数の団体の相互作用が存在し、多数の団体に視点を置けば、多元性を持ち得ることになる。ただし、自治体が多数の団体から構成されるということは、多元性を先験的に予定するものではない。多数の団体が一元的に束ねられているかもしれないからである。あえていえば、自治体における団体間関係の多元性は、潜在的な可能性である。多数の団体を前提に、(広義の)自治体が、一元的に組織化されるのか、多元的に組織化されるのかは、連続帯の中でそれぞれの地域ごと、あるいは時期ごと、に変わり得るだろう。
つづきは、ログイン後に
『議員NAVI』は会員制サービスです。おためし記事の続きはログインしてご覧ください。記事やサイト内のすべてのサービスを利用するためには、会員登録(有料)が必要となります。くわしいご案内は、下記の"『議員NAVI』サービスの詳細を見る"をご覧ください。
