東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授 金井利之
はじめに
自治体は組織であるとしても、組織とは何であるかは、なかなか厄介な問題である。憲法によれば「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」(92条1項)とあり、これを受けた地方自治法が、要するに、「地方公共団体の組織及び運営に関する法律」ということになろう。実定法制上は、「地方公共団体」とされている(1)。
法制では、「団体の組織」であって、「組織としての団体」あるいは「組織の団体」ではないので、組織よりも団体の方が上位にあるように見える。あるいは、団体の中に組織があるともいえる。ないしは、対外的には団体(外延)であり、対内的には組織(内包)かもしれない。とするならば、ともあれ、組織性を論じる以前に、まずは団体性を論じなければいけないようである。裏返していえば、本連載本号等での組織とは、実定法制でいう組織よりも広い概念である。
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