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2024.04.25 議員活動

第9回 民主主義と議会④─結社、複数性、人権、応答性、マニフェスト、レジリエンス

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元・大和大学政治経済学部教授 田中富雄

  本稿では、「結社、複数性、人権、応答性、マニフェスト、レジリエンス」と、これらに関する事項等について再考します。そして、その上で政策過程において、これらの言葉を発するときの「自治体議員の発言に期待される含意と政策」について考えたいと思います。

孤独を超克するための結社、求められる「親民主主義的結社」との協議・連携

 「取り残されることへの恐れ」は、人を「孤独」にさせます。孤独は人にも組織にも社会にも問題をもたらします。例えば、葛藤や差別(逆差別)などを引き起こします。このことは地球規模で見れば紛争(戦争)にもつながります。このような「孤独」に対する処方箋としてバラバラになった社会を解決するものが、結社(アソシエーション)です。このことを、トクヴィル(1805-1859年:フランスの政治思想家・法律家・政治家)はアメリカを訪れ気づいたと、若林恵は紹介しています(宇野=若林 2023:69)。
 結社には、私立学校、教会、労働組合、協同組合、NPO、政党など、様々なものがあります。では結社には、どのような性質があるのでしょうか。それを整理したものが表1です。そこからは、結社には民主主義に親和的なものと、反(非)親和的なものがあることが推測できます。そのため、政府(自治体・国)が結社と協議したり連携するときには、「親民主主義性のある結社」か「反(非)民主主義性のある結社」かを判断し、前者とのコミュニケーションに重きを置くことが求められます。
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表1 結社の持つ「親民主主義性」と「反(非)民主主義性」

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田中富雄(元・大和大学政治経済学部教授)

この記事の著者

田中富雄(元・大和大学政治経済学部教授)

1955年生まれ。三郷市(埼玉県)出身。三郷市職員を経て、2017年4月から大和大学政治経済学部准教授、2019年4月から同教授。2020年3月病気のため大和大学を退職。龍谷大学大学院政策学研究科博士後期課程修了。博士(政策学)。専門・研究分野は、基礎自治体の統制/基礎自治体の経営。特に、自治体政府(議会・首長)、自治基本条例、総合計画、公共政策、まちづくりに関心がある。主な論文は、「議会における「議論の可能性」-三郷市自治基本条例を事例として」(村田和代編『これからの話し合いを考えよう (シリーズ 話し合い学をつくる 3)』、ひつじ書房、2020年)、「自治体計画に対する議会の制御」(廣瀬克哉編『自治体議会改革の固有性と普遍性』、法政大学出版局、2018年)、「自治基本条例の成立と展開」(龍谷大学博士学位申請論文、2014年)。

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