元・大和大学政治経済学部教授 田中富雄
本稿では、「民主主義と議会①─民主主義の目的、習熟、限界、現実」と、これらに関する事項等について再考します。そして、その上で政策過程において、これらの言葉を発するときの「自治体議員の発言に期待される含意と政策」について考えたいと思います。
なお、「民主主義と議会②~⑤」「直接的民主制と間接民主制の比較」「間接民主制としての議会」「ミニパブリックスと議会」については、次回以降において取り扱う予定です。
民主主義とその目的
宇野重規は、民主主義とは何かと問われたら、「自分の問題を自分たちで解決しようとすることと答えます。普通の人々が力をもち、その声が政治に反映されること、あるいはそのための具体的な制度や実践を指すものが民主主義なのです」(宇野 2022:7)と述べています。
また、「私たちはどうしても政治から免れることはできません。私たちはこの社会にある対立や矛盾と共に生きていなければならないからです。共生に向けての調整を他人まかせにはせず、問題を話し合い、自分たちで乗り越えようとすることが本来の民主主義です」(宇野 2022:10)と述べています。このような民主主義の考え方は、過激な主張をする人(非民主主義者・反民主主義者)を除き、日本では一般的に受け入れられているといえるでしょう。
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