元・大和大学政治経済学部教授 田中富雄
はじめに
従来よりも分権化やグローバル化(国際化)等が進んだ今日の都市型社会(人々の生活が〈政策・制度〉のネットワークに支えられて成立する社会)において、自治体議会とその構成員である自治体議員は、これまでよりも大きな権限と責任を持つことになります。この大きな権限を行使し責任を果たすためには、自治体議会(議員)は、日頃漠然と思っていたこと、ルーチンで行っていたことを再考し、見直すことが求められます。発言にも慎重な対応が求められます。そこで本連載では、政策過程における「自治体議員の発言に期待される含意と政策」を模索するとともに、その例を示したいと考えます。
自治体議員が自治体、自治体議会、議員、自治体のアクター、首長、職員、ルール、分権、市民、民主主義、直接民主制と間接民主制、選挙、国、国際機構、政策、環境、人権、話し合い(聴き合い)、自己認識、実践知、参加、ミニパブリックス、多様性、まちづくり、ファシリテーター、(対面/オンライン)コミュニケーション等の言葉を発するときには、これらの言葉にどういう含意(表面に現れない意味を含み持つこと)を持っていることが期待されるのでしょうか。また、そのためにどのような政策を講じることが求められるのでしょうか。
連載の1回目である本稿では、自治体の定義や、自治体と議会の関係、自治体の主なアクターの特性について再考し、その上でこれらの言葉を発するときの「発言に期待される含意と政策」を考えたいと思います。なお、自治体の定義については、自治体という言葉・使用法についてあまり考えたことがない方もおられるかもしれませんが、本連載を継続してお読みいただくことで、その趣旨を把握していただけるのではないかと思っています。
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