東京大学大学院法学政治学研究科/公共政策大学院教授 金井利之
はじめに
自治体にとって、ある区域を基準とすれば、その区域より広い広域性と、その区域より狭い狭域性とが、「必然」的に想定されるように思われる。広域性や、その特殊な形態である圏域性については、前回(第24回)で論じたところである。そこで、今回は狭域性を論じるべきところではあるが、その前に、広域性・狭域性の背後の発想を検討してから、狭域性などを論じていきたい。
包含性
ある区域を基準として、その区域より広い/狭い区域という概念が成立するのは、区域間で、含む/含まれる、という入れ子構造又は階層構造が想定されているからである(図1)。最も典型的には、市区町村を「包括」する「広域」の自治体として、都道府県が想定されていることである。つまり、第6回でも論じたように、ある市区町村の区域を基準とすれば、都道府県の区域は常に広域性を帯びている。
図1
つづきは、ログイン後に
『議員NAVI』は会員制サービスです。おためし記事の続きはログインしてご覧ください。記事やサイト内のすべてのサービスを利用するためには、会員登録(有料)が必要となります。くわしいご案内は、下記の"『議員NAVI』サービスの詳細を見る"をご覧ください。