慶應義塾大学大学院法務研究科客員教授 川﨑政司
本連載もいつの間にか22回を数えることとなった。予定されていたテーマはほぼ取り上げたところだが、これまでに言及はしたものの、自治体議会のあり方を考える上でもう少し掘り下げて論じておくべき事項などもあることから、いくつか補遺的に取り上げてみたい。
今回対象とするのは、議員の兼業・兼職の禁止と除斥の問題である。
議員の職務、あるいは議会の運営や審議・決定が公正に行われるべきことはいうまでもない。それらにおいて公正性を欠くことは、自治や行政をゆがめ、住民の信頼を損なうことになりかねない。そのようなことを防止するために地方自治法で定められているのが、議員の請負禁止と除斥である。これらのうち、請負禁止は、国会議員については定められておらず(1)、また、除斥については、国会議員の場合には資格争訟と懲罰事犯のみが対象とされ(2)、それ以外の自己や親族に利害関係のある事件については規定されておらず、いずれも自治体議会議員の特徴的な義務となっているものである。
それらの制度が、自治体議会議員のあり方やなり手確保などの関係から、改めて問われるようになっている。
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