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2021.07.28 議会改革

第20回 地方議会・自治体議会の歴史から学ぶ

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慶應義塾大学大学院法務研究科客員教授 川﨑政司

1 地方議会の誕生と展開

 明治期の日本の近代化において範例とされたプロセインの宰相でありドイツ統一を導いたオットー・フォン・ビスマルクは、「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ」と語ったといわれる(1)。現在の日本の状況からは、経験から学ぶことさえおろそかとされているようにも見えるが、歴史から学ぶことの重要性を改めて確認する必要があるとともに、どの歴史から何をどう学ぶかが問われることになる。
 そこで、今回は、約150年前まで遡り、日本の地方議会・自治体議会(2)の歴史を簡単に振り返ってみたい。
 その前提として、「議会」の意義を確認しておくと、議会は、公選された議員によって構成される会議体であり、制定法や予算の議決などの重要な国家作用等について公開の合議の場で決定するものである。議会制は、自由主義と民主主義の二つの要請が交錯する政治体制(議会制民主主義)であり、国民代表の原理と多数決の原理を基本とする。
 ただし、議会がそのような制度となるには、それなりに長い時間を要したのであり、また、それは、選挙権の拡大とともに発達してきたものといえるだろう。

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この記事の著者

川﨑政司(慶應義塾大学大学院法務研究科客員教授)

2007年より慶應義塾大学法科大学院客員教授。専門は憲法、立法学、地方自治法など。主な著書に、『地方自治法基本解説〔第7版〕』(法学書院)、『自治体政策法務講座第1巻 総論・立法法務』(編著、ぎょうせい)、『ポイント解説「地域主権改革」関連法 自治体への影響とその対応に向けて』(第一法規)、『行政課題別 条例実務の要点』(共著、第一法規)、『事例から学ぶ「自治体公法」入門』(公職研)、『自治判例から公法を読む』(公職研)、『法を考えるヒントⅠ』『法を考えるヒントⅡ』(日本加除出版)、『法律学の基礎技法〔第2版〕』(法学書院)、『現代統治構造の動態と展望-法形成をめぐる政治と法』(編著、尚学社)、『立法学のフロンティア3 立法実践の変革』(共著、ナカニシヤ出版)、『判例から学ぶ憲法・行政法〔第4版〕』(編著、法学書院)、『行政法事典』(編著、法学書院)、『注釈 公用文用字用語辞典〔第8版〕』(新日本法規)、『ビジネス法概論』(編著、第一法規)など。その他、著書・論文多数。

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