三重県議会事務局
1 はじめに
三重県では、平成25年6月に、飲酒運転の根絶に関する施策を推進し、県民が安心して暮らすことのできる社会を実現するために、「三重県飲酒運転0(ゼロ)をめざす条例」(以下「条例」という)を議員提出条例として制定しました。
本稿では、条例の制定経緯やその内容を解説するとともに、条例制定後の取組みについてご紹介いたします。
2 条例の制定経緯
本県では、平成18年をピークに飲酒運転事故や飲酒運転違反者は減少していましたが、条例策定当時(平成24年)においても、飲酒運転違反618件、飲酒運転事故73件、死亡事故4件が発生しており、全国的に飲酒運転に対する社会的非難が高まる中で、法律による厳罰化が進められてきたにもかかわらず、依然として飲酒運転が後を絶たない状況にありました。
このような状況を踏まえ、本県議会では、飲酒運転を根絶するためには、法律による厳罰化とは異なる観点からの対応も必要であるとの認識の下、平成24年10月に「三重県飲酒運転防止に関する条例検討会」(以下「検討会」という)を設置し、飲酒運転の防止に関する条例の制定に向けた調査・検討を行うこととしました。
検討会は、平成24年10月の本会議において、三重県議会基本条例14条1項の規定に基づき設置され、同年10月から平成25年6月までの間に、計14回開催されました。
検討会においては、はじめに、飲酒運転の現状等に関する執行部からの聴取、他県の飲酒運転防止条例の調査を行ったほか、有識者からの意見聴取や委員有志による県外調査(他県の取組状況の調査)を実施し、これらの成果を踏まえながら、条例骨子案の検討・策定を行いました(平成24年10月~平成25年4月)。
条例骨子案の策定後は、執行部からの意見聴取のほか、各種関係団体(アルコール依存症の治療、教育、交通対策など)からの意見聴取も行い、これらの意見を踏まえ、条例中間案の策定を行いました(平成25年4月)。
条例中間案の策定後は、この中間案についてパブリックコメントを実施し、県民の方から寄せられた意見を踏まえ条例最終案をとりまとめ、平成25年6月10日に議員提出議案として提出しました。
提出した条例案は、環境生活農林水産常任委員会に付託され、同委員会において可決された後、平成25年6月28日の本会議において、全会一致で可決・成立しました。
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