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2019.07.10 政策研究

狛江市の「笑育」の取組み~笑いを通じて、子どもたちの力を伸ばす~

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狛江市教育委員会教育部指導室指導主事 柳田裕司

 
 狛江市は東京都の多摩地区東部に位置し、総面積は6.39平方キロメートルと、市としては全国で2番目に小さい。小学校は6校、中学校は4校設置しており、約4,600人の児童・生徒が通っている。狛江市教育委員会(以下「教育委員会」という)では、2018年に新たな教育施策として、小学校において「笑育」に取り組んだ。その実践を紹介する。

1 はじめに

(1)導入までの背景
 小学校では2020年度に新学習指導要領が全面実施される。児童に「生きる力」となる「知識及び技能」、「思考力・判断力・表現力等」、「学びに向かう力、人間性等」の三つの力を育むことが求められている。それらの力を身に付けるために、「何を学ぶか」だけでなく「どのように学ぶか」が重視される。キーワードとして「主体的・対話的で深い学び」の視点からの授業改善が挙げられ、全国でその研究が推進されている。具体的には、一つひとつの知識がつながり「分かる」、「面白い」が実感できる授業、見通しをもって粘り強く取り組む力が身に付く授業、周りの人たちとともに考え、学び、新しい発見や豊かな発想が生まれる授業、自分の学びを振り返り、次の学びや生活に生かす力を育む授業といったものである。
 狛江市教育委員会では、求められる力の育成に向け、市としての施策を模索していた。その折、2017年度に松竹芸能株式会社(以下「松竹芸能」という)の教育プログラム「笑育(わらいく)」に出合った。松竹芸能の「笑育」は、2012年からプログラムの開発に取り組み、全国各地の小学校・中学校・高等学校・大学で取り組まれている。

(2)笑育の目的
 「笑育」は笑いそのものを学ぶのではなく、児童・生徒等による漫才やネタづくりを通して、次の力を身に付けることを目的としている。
ア  プレゼンテーション力……自分が考えたアイデアを発表、表現する力
イ 発想力・創造力……ゼロからアイデアを考える力
ウ  編集力・構成力……自分が考えたアイデアをどの順序で話すかを構成する力
 上記の力を活用し、
エ  正解のない問いに対して、自分なりの解決力を見いだす力
 取組みの最後は、児童・生徒等が作成した漫才を発表し合うが、発表だけではなく、そこまでのネタづくりや練習等のプロセスが重要である。
 同時に「人を傷つけない笑い」をコンセプトとしており、人権尊重の精神の涵養に資するプログラムでもある。これは各学級において、良好な人間関係を築くことに寄与する。

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