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特集 主権者教育

2024.12.25 なり手不足

主権者教育の議会としての実践

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埼玉県比企郡小川町議会 山口勝士

1 子供議会運営の主体

  今回紹介する令和4年度の出前講座の実践は、「子供議会」の取組みの中で実現したものである。「子供議会」そのものは、子ども議員という各学校の特定の代表によって行われる。そこまでの各学校での取組みをとても重視している。学年やクラスでの話し合い、子ども議員の提案する内容の練り上げなど、多くの子どもたちが授業として参画した上での「子供議会」の実践である。そうした観点から運営の主体は教育委員会となっている。

2 過去の子供議会での議員の関わりは

 各校で練り上げられた提案・質疑には、通常の議会と同じように、町長をはじめとする執行部が答弁する。内容によっては、直ちに実現するための「予算」も確保している。これは議員提案で実現したものであり、実際に前回の「子供議会」での提案ではいくつかの学校のトイレの洋式化が実現している。しかし、議会の「日常的な役割・活動や提案」がどういった中で生まれていくのか、さらに町の方向性や計画を「チェック」する議会の機能など、子どもたちの実践では不十分といえる。さらに「議会」の大切さと自分たちの関わりを理解していくという主権者教育の実践にもかかわらず、その実践の中に日々活動している議員の姿が見えないのが、過去2回の「子供議会」での実践であった。

3 今回の子供議会での議員の関わりの根拠

 「教育」(主権者教育)としての実践、その観点を大切にしながら、教育現場へ負担をかけない「議会」の取組みは考えられないだろうか。議員が直接「議会の大切さ」や「議員の思い」を子どもたちに伝えることはできないのだろうか。そうした声が議員の中からも出ていた。そこで方法を見つけるべく議会側から動くこととした。まずは教育としての観点から、実際に「教育課程」、「授業」、「教科書」では議会をどう扱っているのかを調べてみた。表1はそれをまとめたものである。

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表1 小中学校における学習内容

4 教育長・教育委員会との相談・協議

 以下の思いをまず積極的に伝えることにした。
① 「子供議会」への議会側の協力姿勢。
② 子どもたちの将来だけでなく、町の未来につながる授業・実践になってほしいとの思い。
③ 学校や先生方に負担をかけたくない。今、実際に行っている授業実践を、より効果的な深みのある授業とするために、議会・議員が関われるのではないか。

5 学校現場との相談・調整が進む中で

 学校現場の負担が大きくては、その調整だけで時間も必要になる。さらにプロとしての先生方とともにつくる授業(議員の一方的な思い込みや自己満足の授業ではなく、授業の目的やポイントをしっかりと達成できる授業)になるよう、表2のような「議会側の授業への姿勢・工夫・留意点」も明確にして、教育長・学校(校長等)に伝える配慮もした。

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表2 計画を進めるに当たっての議会側の姿勢・工夫・留意点

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